科学的思考による問題解決の手順

全社一体体制のものづくり改善マネジメント
-ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築-
第3章 全社一体型マネジメントシステムを支えるマネジメント技術

(2)科学的思考(手順)による問題解決の手順
 
 この問題の根本原因は、力不足で、改善しても成果を生み出せないことにある。改善力をつけるには、経験則的な問題解決法から、科学的思考(手順)による問題解決へと転換していく必要がある。
 問題解決法とは、①対象の特性を理解一②問題発見分析―③問題発掘分析―④問題の構造化一⑤課題の設定一⑥課題解決のアイデア抽出一⑦解決案の立案一⑧解決案の評価……という流れで進められる。それぞれのプロセスを効果的に進めるには、さまざまな準備と工夫が必要なのである(図表3-4)。

①対象の特性を理解
 改善対象によって適用する切り口が違うので、どのような特性を持っているかを見極める情報収集作業である。問題解決が成功するかどうかは、この特性把握段階での対応にかかっていると言っても過言ではない。

②問題発見分析
 問題がどこに潜んでいるかを発見する分析作業である。
 対象の構造、プロセス、時間的変化、量的変化などを調査した上で、隠れている問題を発見するための各種分析法が体系化されている。

③問題発掘分析
 発見した問題が、なぜ発生しているのか真の原因を追及する作業である。
通常は、発生要因の仮説を立てた上で、事実のありかを検証していくアプローチをとる。

④問題の構造化
 問題が発生した際に、さまざまな情報を総合化し、要因の構造を1枚の図に表わすことによって、問題が発生している現象を把握できる。構造図に、上位の問題と下位の問題がしっかりと構造化してとらえられて、問題発生の連鎖が明確にされていれば、それが理想的な問題構造図となる。

⑤課題の設定
 課題設定とは、問題の構造図のどのポイントから、改善をおこなうかを設定する作業をいう。構造図の下位(末端)から改善をおこなえば、絵に描いたような問題解決が図れるが、全体の改善に対する効果はピンポイント効果に過ぎない。
 一方、上位(根本原因)から改善に取り組むと、影響する領域も広範囲に広がり、効果も大きい代わりに改善に必要なエネルギーも多くなる。個別施策を設定する際に、このことを勘案し、効果の大きさと投入エネルギーのバランスから、年度計画に合わせた、効果的な課題設定を選択することが重要である。

⑥課題解決のアイデア抽出
 改善アイデアを出すにあたっては、多くのアイデア発想法が世にでているので、それらを思考の整理技法として活用するとよい。アイデア発想法は、あくまでも思考の整理技法に過ぎず、そこからアイデアそのものは出てこない。ネ夕は自分の頭の中からでてくるものである。
 湯水のようなたくさんのアイデアで溢れかえるには、ネタの情報をたくさん知っていたり、多くのネタを持っている人材を参加させるなどの工夫が必要である。アイデア出し段階では、ネタになる情報の効率よい収集の方法もアイデア抽出の重要な作業である。

⑦解決案の立案
 出されたアイデアを、具体的な施策として展開するための、改善案を設計する作業である。エンジニアリングとも言う。専門家の知恵と設計要求仕様をブレークダウンする思考の整理法などがツールとして活用できる。

⑧解決案の評価
 設計した案が、確実に実行できるかどうかを評価する手法である。代表的なFMEA(Failure Mode and Effect Analysis: 故障モードとその影響の解析)などを活用した上で、実行計画書に落とし込んでゆく。


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