問題解決の手順・考え方を整理した手法
全社一体体制のものづくり改善マネジメント
-ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築-
第3章 全社一体型マネジメントシステムを支えるマネジメント技術
7) 問題解決の手順・考え方を整理した手法
(1)複雑な問題をひも解き、事実を把握する手法
これは主として、4)項の8分類の「③問題解決の手順・考え方を整理した手法」が活用される。
個別目標を施策展開する過程では、問題を分析・把握した上で改善すべき不具合を発見し、改善施策を立案する問題解決のプロセスを経て、個別施策に落とし込む。
この問題解決プロセスを整理し、問題がひも解けるように体系化したのが問題解決法である。
なぜ、ここで改めて問題をひも解く必要があるかというと、多くの改善活動において、対象に対する事実把握がおろそかであったり、経験則に基づいた決め打ちで課題を設定していたりすることが多い。
経験則アプローチは、当たればいとも簡単に問題が解けて儲けものであるがこれがなかなか当たらない。問題の本質を把握して根本から解決するのではなく、表面に現れた現象の一部だけを解決してお茶を濁すなど、中途半端な取組みで放置されている課題が今日の職場にいかに多いか、そのことを知らないのは当事者だけである。
このような職場では、 トップダウンで目標は降りてくるものの、目標の未達が通常の状態になっており、計画と実績が違っているのはあたり前、問題を半分解いたのだからこれで十分、仕方がない……の空気がただよっている。
これでは、方針展開も形骸化しており、目先の業務に汲々して、自分の役割が事業の中にどのように貢献しているかも、わからなくなる近視眼な人材しか育成できない。悪循環である。