ステージ4:自律期 すべてのプレイヤーの参画と自律
全社一体体制のものづくり改善マネジメント
-ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築-
第2章 全社一体体制のマネジメント
(4)ステージ4:自律期 すべてのプレイヤーの参画と自律
ステージ4は、ステージ3をさらに発展させ、その事業にかかわるすべての組織・機能(サプライヤーや海外事業所など)全体で連結した目標展開がなされ、施策展開・施策選択。実施・実施管理が全体でなされることを目指して展開する。そして、全ての機能・参画する人々が目標達成に向かって自律的に活動している姿の実現を目指して展開するものである。
①特徴と進め方
ステージ4はステージ3で実施してきたことをサプライヤーや海外事業所などその事業にかかわるすべてのプレーヤーにまで広げて適用することをねらったステージである。この段階では、マネジメントシステムの適用範囲を全体に拡大することを意識して進めるものである。
目標展開や施策展開に関してはステージ3までの手順と全く同様に進める。この段階では適用範囲が広がっているのでステージ3までと同じような推進をすることは難しい。そこに登場する人たちは、生い立ちや経験だけでなく文化や習慣の違う人たちである。その人々が同じ仕組みで取り組むための工夫が必要になるステージである。
そこで、自社で展開してきた事例や経験を基に、仕組みを標準化し、運用も同じにできるように各関連企業(海外法人など含む)の経営トップ層の教育研修だけでなく、その推進の核となるミドルマネジメントの人材発掘と教育の実施などを行う。したがって推進事務局の設置運営、教育・研修の実施プログラムの整備、講師陣の養成、あるいは実践状況のチェックなどステージ3までとは異なった全体を意識した運営体制の構築が必要となる。
さらにこうした運営を通して、この事業にかかわるすべての人が自律して参画できることを目指した諸施策を工夫して実施する。(図表2‐30)
②教育プログラム
管理職や経営幹部を対象に、一連の戦略に関する学習プログラムを整備する。
具体的には、新事業の開発研修、事業計画の立案研修などがある。
またアドバンスコースはビジネスリーダー育成コースとして、将来、トップマネジメントになる人材を選定してグループ単位で経営課題の問題解決を実践するプログラムを実施する。
③整備すべき制度・仕組み
予測を超える環境変化が起きた場合に備えた仕組み作りとして、下記システムの構築を検討する。
・環境変化が予測した範囲を超えた場合に、目標値や施策を俊敏に変更する仕組みと体制作り
・環境変化の予測に応じた、業績評価シミュレーションシステム
・教育プログラムのアドバンスコースとして、ビジネスリーダー育成コースの仕組みづくりと実践
・個人の自律度評価制度や改善インストラクター育成制度の構築