ステージを意識した活動のねらい

全社一体体制のものづくり改善マネジメント
-ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築-
第2章 全社一体体制のマネジメント

2)ステージを意識した活動のねらい

(1)アセスメントで自社の改善・改革力を知る
 アセスメント項目は、前章で説明したように「全社一体体制構築の10の視点」で構成されており、アセスメントDBを活用すれば他社との比較も可能になる。このアセスメント評価で自社の強みや弱点を知ることは有効である。
 アセスメント評価を毎年継続して実施することにより、組織的な問題解決能力の成長度合いや改善改革活動の成長度合いが測定できる。アセスメント評価の管理単位は事業部と事業の責任者を結び付けている。
 アセスメントには、マネジメント成熟度診断チェックリストが使いやすく効果的である(第4章を参照)。

(2)改善・改革力に応じて活動の開始ステージを選択
 一般的に、企業はいくつかの事業で構成されている。その中には、国内の工場があり、海外の工場も含まれることもある。その際、各事業単位の、改善・改革力・マネジメントカは一様ではない。上手に展開している事業、思うような成果が生み出せていない事業……など、各事業担当部門の改善。改革力の巧拙に差があるのが一般的である。
 このような時、本活動では、ステージ1から活動を開始する事業所や、ステージ2から活動を開始する事業所が混在することも可能である。自らの改善・改革力に応じて、活動を開始するスタート地点が異なる。全社一体型マネジメントは、力量が異なる各事業を前提にしたマネジメント方式なのである。
 どのステージから活動を開始するかは、開始前に導入アセスメントを行い、その評価でステージを決定する。

(3)中期経営計画・単年度事業計画・技術ロードマップとの整合性
 ステージ3以降の本活動は、中期経営計画・単年度事業計画の目標値との一体化を前提とした活動である。一般には、中期経営計画が独り歩きをして、実際の活動との関連性が低くなっているケースが見られる。また事業によっては、中期経営計画そのものが陳腐化してしまい、中期経営計画の本来の活用ができていない場合もある。
 本活動では、中期経営計画に基づいた単年度事業計画を拠り所にしている。それゆえ、中期経営計画で設定された目標値は、本活動を通じて各部門に目標展開されることになる。
 また目標展開を実施すると、中期経営計画・事業計画から展開した目標値に対して、抽出した改善テーマが抽象的であったり、不十分であつたりする場合が往々にして見られる。これらの打開策として、戦略マップ、技術ロードマップと教育体系を関連付けて改善施策を抽出する工夫をしている。
 このように、全社一体型マネジメントシステムを展開することによって中期経営計画(戦略マップ)一―事業戦略一―技術ロードマップーー活動目標値――教育体系一―改善テーマの抽出……という一貫したつながりが、強固な鎖で繋がれることになる。

(4)事業計画が目指している姿と教育体系の整合
①教育体系と効果測定の問題点
 企業における体系的な教育の必要性は認識しているが、具体的な教育や外部研修への参加機会はさまざまな部署に散在しており、参加者は、何が必要な教育なのか判断しかねているのが実態である。
 本活動では教育体系を見直して、事業計画が目指している姿と教育体系との整合を図ることを展開ステップにいれている。そのため、既存の教育システムを有効に活用し、陳腐化している教育テーマは削減して、新たなテーマを追加する。

 また、各部署で多様なプログラムの教育を実施していても、教育投資に対する効果測定ができていない。部分的に効果を測定していても、測定方法もまちまちで、 しかも結果が活かされておらず、ずっと前からのプログラムをそのまま踏襲しているケースが多い。本活動では、事業計画に基づいた教育体系を作り上げることと同時に教育効果の測定を標準化しているのが特徴である。

②教育体系を設計する
 各ステージでは、スパイラルアップするために必要な教育を計画しており、教育は、ステージと職位の階層のマトリックスで体系化されている(図表2-23)。

 一般的には活動準備として、スパイラルアップ活動の前に、教育体系の構想を策定する。

教育体系の詳細設計に関しては、
・現在進めている事業計画の実施状況
・アセスメントの実績評価情報
・これから進めていく技術課題(技術ロードマップ)
を検討して、実行計画としての教育体系を設計する。
 たとえば、
・成果の達成状況から弱点を探り、技術的な問題を抱えているようであれば、固有技術の専門教育の可否を検討する
・また、テーマを推進しているリーダーのマネジメントに問題があれば「リーダーシップ実践コース」を検討する
・コスト削減に関して有効な施策が抽出できないときには、材料や生産技術に関わる固有技術に関する教育を追加することもある
……などで、大切なことは、現在進めている事業計画の具体化と教育体系が整合されていることである。


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