拠点間、部門間の連携

全社一体体制のものづくり改善マネジメント
-ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築-
第2章 全社一体体制のマネジメント

3)拠点間、部門間の連携 

(1)サプライヤーまで巻き込む部門間連携
 全社一体体制のマネジメントシステムでは、部門間の連携を重視している。
 一般に方針や目標を部門に落とし込むと、各部門が独自に目標達成に向けて行動を開始することが多い。この活動で問題になるのは、部門ごとの個別の活動が中心になり、より大きな効果を期待できる部門を超えた連携活動が、行われにくいことである。
 例えば、購買コストを削減する目標を購買部門だけで達成しようとすれば、合見積もりによるコストダウンが中心となってしまう。生産技術部門と連携することで、サプライヤーのコストダウン余地診断や具体的な改善を実施した上でコスト折衝をすることができるはずなので、それが行われにくいのである。
もちろんこの場合も、サプライヤーとも連携が必要となる。

 このように、生産技術部門、調達部門、サプライヤーの3者が連携することで合見積もり以上の効果が出せ、サプライヤーにとっても改善活動の支援を受けて値下げ要請に応える…というメリットがある。
 以上のような調達でのコストダウンは一例に過ぎない。
・設計・生産技術・生産が連携した生産性向上活動
・品質管理・設計・生産技術・生産が連携した品質改善活動
・営業企画・開発・設計が連携した高付加価値製品開発
……などの他にもさまざまな連携の可能性がある。
 このような連携活動は各社で実施されているが、この連携活動単位で明確な目標を持ち、全体活動のなかでの位置づけまで明確にされている企業は少ない。
目標展開時にこのようなことを意識して展開することが、部門間連携を促進するきっかけとなる。
 また、“部門間”よりもう一回り大きい連携として、拠点間の連携もある。当然、グローバルに拠点が展開されている場合は、海外拠点も含めて考えられよう。
連携のやり方としては、
 ・人材ローテーシヨンによる各拠点の良いところを横展開する
 ・技術交流を行う
 ・インターナルベンチマーキングを行う
……などがある。

(2)施策間のトレードオフ
 部門間連携には、上述のようにあらかじめ連携を施策に含んだ活動のほかに、施策間のトレードオフを解決するという活動がある。施策間のトレードオフとは、一つの施策が成り立つと、もう一つの施策が成り立たない時に、どちらを優先すべきか部門を超えて検討することである。
 たとえば、
 ・品質レベルを維持しやすいライン生産化を推進したい品質部門施策と
 ・少量生産対応のためのセル生産化を推進したい生産部門施策が
同一職場に適用されてしまう場合である。この場合は、品質部門と生産部門で連携し、品質向上と少量生産対応を両立できる案を再検討していくことになる。

また、
 ・段取り回数を増加して在庫削減を進めたい生産管理部門施策と
 ・段取り時間を削減して(段取り回数は現状と同じことを前提)生産性を向上させたい生産部門施策が同じ設備に対して適用される場合もある。この場合は生産部門と生産技術部門で連携し、より段取り時間を短縮できるような施策に移行する必要がある。
 このように、各部門が独自に施策を推進してしまうことで発生する問題を、全体体系で事前に確認し、トレードオフが必要な項目について関係部門と協議、連携して調整を行い、目標達成に当たることができるのも、全社一体体制マネジメントシステムの特徴である。


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