ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築
全社一体体制のものづくり改善マネジメント
-ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築-
第2章 全社一体体制のマネジメント
2)全社一体体制のマネジメントとは
1)ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築
全社一体体制のマネジメントとはどのようなものか、その概要を述べるにあたり、コンセプトに触れておきたい。
前節で述べた事業環境の変化、社会価値観の変化、各企業の直面している間題点を克服するコンセプトが機能融合型のマネジメントを目指したものであり、そのねらいは、ものづくリグローバル標準マネジメントシステムの構築である。
企業はいろいろな機能で構成されているが、急変する環境に対して、その時々で必要な機能が融合しつつ課題解決に当たることが望ましい。
コンセプトは、「不連続かつ急変する事業環境に対し、TOPの意思を俊敏に実現するマネジメント理論」である。
コンセプトを具体的に解説すると、最終的にはグローバルにおいて
・TOPの想いを明確にし、浸透(伝承)させ、計画の完成度を向上させ、展開を通じて、経営環境の変化に迅速に対応できる社員の能力向上と自律化を実現する
・課題の優先順序を的確に設定し、最適な資源配分がされるマネジメントを実現する
ということである。
これらは、次の4つの要素で考えると理解が深まると思われるので、整理しておく。
①目指す姿を総合目標とし、活動の見える化(マネジメントのビジュアル化)を通して、意図した業績向上と変化に強い体質を同時実現し、顧客満足と従業員満足を確立する。
②組織連携のあるべき姿を計画段階から織り込み、ステップ方式による全社一丸のマネジメントスタイルを確立する。
③制約のないボトルネックの解消による総合的生産性向上を実現し、製品競争力の根幹であるQCDを最適化する。
④活動を通じた成果が経営に直結する仕組みを構築し、貢献度の見える化を図ることで目標方針展開の実行態勢をシステム化する。
このコンセプトのフレームワークは図表2-3のように整理できる。
また、描きたいグローバル標準のありたい姿の①機能融合マトリックス(図表2-4-①)②運営体制(図表2-4-②)①実績管理(図表2‐4‐③)について、体系図を示す。
この意味するところは、グローバルでのマーケット変化のなかで、優位性を確保するための製品革新と連動した、生産革新、調達革新、物流革新を一体で推進する、ものづくリグローバル標準マネジメントシステムの構築と考えて良い。
このコンセプトを図表2-5に示す。