自律化実現への基本要件
全社一体体制のものづくり改善マネジメント
-ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築-
第1章 全社一体体制での改善活動の目指す姿
2)自律化実現への基本要件
自律化を実現する視点に沿って進めるに当たり、基本的な要件を整理しておく。まず重要なことは、TOPの強い意志である。言葉だけで自律化をせよと言ってもムダで、自律化の自社における意味をしっかりと確立し、全従業員に 納得してもらわなければならない。そのためには、企業としてきちっと準備すべきこと、整備すべきことを明確にしなければならない。
もちろん自律化は、その推進にふさわしい人を見出し、その人材が活躍できる場を作ることも重要である。そして何よりもそうした人材自身が自らを磨くことに努力し、実践することである。それは全社の教育体系の一環として、人材育成の目標と一致しており、育成の仕組みが構築されているうえに、粘り強いフォローが望 まれる。
「1)自律化に向けた6つの視点」の項でも少し述べたが、表彰制度や人事考課とも組み合わせ、設定した仕組みが正しく運用される状態を生み出さなければならない。良く言われる、仕組みに魂を入れることを意味している。仕組や制度を作ったが、運用は部門任せ、個人任せといった状態では、初期の目的は達成できない。
全社の制度・仕組みとして、公平かつ適正に運用しなければならない。
しかも、評価される側が、「やる気」になる運用が基本である。正論だと片付けず、いま保有している仕組みでも、きちんと運用することで、かなり改善できると期待している。