マネジメントの仕組みだけではなく、運用も自律した社員の手で実施したい
全社一体体制のものづくり改善マネジメント
-ものづくりグローバル標準マネジメントシステムの構築-
第1章 全社一体体制での改善活動の目指す姿
3)マネジメントの仕組みだけではなく、運用も自律した社員の手で実施したい
どの企業も何年もの時間をかけて、自社独自のマネジメントの仕組みを築いてきた。仕組みについては、新たな手法を紹介しても「既にやっている」とか「やったことがある」と答える企業が多い。
しかし一方で、マネジメントの具体的な運用面では、現状に対する不満も多い 。
・「事業計画は数値だけの展開に終始している」とか
・「毎年同じ施策しか出ない」とか
・「ほとんどが担当者任せで工夫が見られない」
……などなど多くの不満も耳にする。
どうやら仕組みはあっても精緻さが欠けていたり、何年かの間に省略されていたり、形骸化したりしているケースもあるようだ。また運用が画一的で機能していないという指摘もある。運用を含めた自社のマネジメントシステムという話になるとどの企業でも急にトーンダウンする。
マネジメントの仕組みは、マネジメント実践の原動力であり、これをきちん と動かすことができれば大きな推進力になる。その意味でマネジメントの仕組みを基に、それぞれの役割を考えて実践する力をつけたいものである。
企業に適した仕組みを構築し、その運用を通して従業員の自律化が進む…… というのは経営者の大きな期待でもある。