フレキシブル生産のポイント
(2)フレキシブル生産のポイント
生産現場では変更に応じて生産した際に、それがフレキシブルな生産だったのかをチェックし、評価できれば、次回の変更時に、生産の優先順位をつける参考にできるでしょう。
フレキシブル生産を収益の切り口で評価する方法を考えてみましょう。
QCD が変わらないと言いましたが、Q(品質)やD(納期)に影響してしまうようであれば、論外ですのでこれらは問題ないケースで考えましょう。
前章のQCD の項で、D は納期+ 生産量で、ポイントは生産量の変化に合わせて納期が守れるか、フレキシブルな生産ができるかだ、と書きました。
それができるかどうかの指標を、収益と絡めてC(コスト)で見ることはできないでしょうか。
自在な編成で生産をする際に、1 個当たり原価がどのくらいでできているのかを算出し、比較することで、それぞれの生産編成が、QCD が変わらずにできているかが分かります。
以下は、前章でご紹介した、原価の算出式です。
ここで、直接原価は、原価で算出されているでしょうし、間接費は指標なので、あらかじめ決めておいた配布率× 時間をあてればいいでしょう。
サイクルタイム、稼働時間、稼働率、良品率データは、POP から得られます。
ここでいう稼働時間は、切替準備時間+ 生産時間であり、これが稼働率の分母になります。
この算式は、ERP の中に組み込んでおけば、データは、すぐに取り出せ、リアルタイムで、確認できるでしょう。
ここで求められる原価を、一定の数値まで許容することで、一つの目安とすることができます。
3)品種切替え時の新from-to-chart
生産計画を立案する際、あるいは計画を変更する際の課題は、どのような順序で品種を流すのか、という品種切替えの問題です。
生産計画立案時は、納期を優先順位にfrom-to-chart を参考にして品種切り替えを行いますが、その際に、生産現場の担当者が頭を悩ますのが新種切り替えの優先順位づけです。
上記で求めた原価が小さければ= 切り替えロスが少なく効率が良い、逆に、原価が大きくなれば= 切り替えに際してロスが大きい、と判断し、切り替えの際に、この原価を指標として、from-to-chart に集計しておくことで、ケースごとの精度の高いfrom-to-chart ができるようになり、生産計画立案や計画変更の際の参照データとして使えるようになります。