1 個当たりの生産時間を同期化する
4)1 個当たりの生産時間を同期化する
オーダーが変化しても、自在な生産で対応し、1 個のオーダーでも、1000 個のオーダーでも、品質、コストは変わらずに納品できること、それがD のめざす最終的な生産方式なのです。
つまり、D : オーダーの変化に合わせてフレキシブルに生産し、指定期日に納品するが本来の意味になります。
この考え方を実際の生産に適用すると、
・A、B、C、D、E の5 品種があったとき(生産所要時間は同じとする)、
・① AAAAAAAA・・・とA を100 個作った時と、
・② ABCDEABCDE・・・と5 品種を20 個ずつ作ったときで
1 個当たりの単価が生産数に依存しないことが条件になってきます。
段取り替えのコストが小さいシステムであることが必要になり、それは変動費に対して固定費の比率が小さいだけでなく、変動費そのものも小さいシステム、ということになります。
その意味で、D とは、単に納期順守を指すだけでなく、リードタイムを短縮し、フレキシブル生産を目指すための重要な指標であるという理解が必要なのです。
つまり、1 個でも100 個でも1 個当たりでみれば同じ時間で作れる仕組みを構築することが重要だということになります。
そうすれば、100 個つくっても、20 個つくっても時間・コストは変わらない、フレキシブル生産ができたことになります。
工場で生産する際に、さまざまな生産方式があります。
それぞれの工場では、生産する製品のタイプや生産数、納品のスケジュールなどにしたがって最適な生産方式を採用することになります。
通常は、工場ではさまざまな生産方式が入り組み、複雑な構成になっています。
それを分類・整理して、いかに効率的な生産の組み合わせの仕組みを構築するかが、生産管理の重要な業務です。