生産計画の変更が多い
(1)生産計画の変更が多い
それにしても、この計画変更の頻度は、日本に独特のものと言えるでしょう。
海外の工場では、いえ、海外の市場は、ここまで細かく消費者の変化に対応していません。
それだけ日本の企業が外国の企業に比べると、市場の変化を細かくとらえ、小さな変化にも対応しようとしているということでもあります。
市場や消費者から見ると、こうした細かな対応が、ある意味で日本のものづくりの魅力になっています。
この点を変更してしまうと日本のものづくりの特徴がなくなってしまう恐れがありますので、計画変更が生産現場で起こるさまざまな問題の起源となっているとしても、それを止めるという選択肢はないと思います。
海外では日本のファッションは、知る人ぞ知る人気の的です。和のテーストを含んだファッション、ティーンズの奇抜なスタイル、アニメから飛び出したようなコスプレイ、さらに、イヌに着せる衣装・・・。
どれも、一見、なんの変哲もない衣料品に見えますが、実は、季節の移り変わりとともに、少しずつ変化しています。
イヌの衣装でも、同様なのです。
微妙に変わっていくその変化がファンの心を飽きさせずに、ひきつけるポイントになっているのです。
アパレル生産の工場となっている中国で、生産ロットは、アメリカからのオーダーは10,000 着単位、ヨーロッパは1,000 着単位という中で、日本のアパレルからのオーダーは100 着単位という細かさです(ユニクロだけがアメリカ同様のオーダーで動いています)。
こうした日本メーカーの市場対応の細かさが、日本のマーケットの魅力でもあり、また日系工場の生産管理を難しくしている要因でもあるのです。
さて、計画変更は2 つの要因で起こります。
・1 つは、需要(確定受注)が変化しそれに対応するため、
・2 つ目は、需要の変化に対応できるように生産計画が作られていないということです。