需要予測の方法
①需要予測の方法
需要予測には、統計学を用いた科学的な方法から、アンケート調査、あるいは、グラフ活用法調査などまで以下のようなさまざまな方法があります。
・「時系列分析」 過去の需要量の変化を捕らえ、それを延長して予測する
・「Z- チャート」 Z チャートを描いて今後の傾向を見る
・「意見調査(アンケート方式)」 直接に顧客の声を聞き反映させる
・「線形計画法」 条件などを数式で表して最適解を求める統計的方法
・「回帰分析法」 需要を決める要因の因果関係を解析することで予測する
残念ながら、どの方法をとっても、100 パーセント当たるという精度はありません。
データを入手しやすい場合は、過去の需要変化から傾向を見て計算する時系列分析が多く採用されますが、新製品の発売などでより高い精度の予測を必要とする場合には、アンケート調査法やサンプリング調査法、あるいは、いくつかの手法が併用されることになります。
②予測誤差
どんなに精度を高く予測しても100% の予測は不可能です。予測より実際の販売量が多かった場合、 製品在庫が不足し欠品が生じる、材料・資材・生産人員が不足して生産に対応できない、などの問題が生じます。
逆に、実際の販売量が少なかった場合には、製品在庫が多くなりすぎる、生産を中止すれば材料・部品・仕掛け品在庫が過剰になる、などの問題が生じて、生産を混乱させる要因になります。
③需要予測部門の課題
こうした予測誤差の影響を最小にするためには、最も効果的なのは、需要予測を生産時点に近い時点で行うようにすることですが、そのためには、
・生産リードタイムを短縮化する
・生産量の変化に対応して、柔軟に対応できる生産システムを構築する
・需要の変化に対応できる安全在庫を準備するなどが必要です。
基本はリードタイムを短縮することですが、サプライチェーンを考えると、自社だけの努力では限界があり、
1)サプライチェーンの各段階で生産・需要予測情報を共有する
2)安全在庫の仕組みをサプライチェーン全体で設定するなどが重要です。
サプライチェーンの各社が独自に需要予測をするのではなく、全体での最適化をめざして、精度の高い需要予測のシステムを確立したうえで、
・サプライチェーンで情報を共有して最適な在庫を保有し、
・変種変量生産に対応するフレキシブル生産体制を構築することが不可欠です。
サプライチェーンの全プロセスを通じて、各段階の生産管理部門が情報を
共有するマネジメントの仕組みを作ることが今後の課題と思います。