長期的な生産・生産管理戦略
3)長期的な生産・生産管理戦略
最初に課題になるのが、全社的な生産戦略をどのように構築していくのかという経営戦略の問題です。
とくに、現在は、海外展開によって調達のグローバル化、国内工場との関係、さらにはIT 技術の予想以上の伸展など、製造業にとっては大きな変化点にいます。
長期的な視野を持って、将来的に自社の位置づけを考えておくことは重要です。
①長期的な生産戦略
長期的な経営戦略、生産戦略をどう設定し、その戦略をどのように展開していくかは、最初に考えておきたい課題です。
とかく日常の進捗管理業務に追われてこの点を失念しがちですが、大量生産システム全盛だった戦後すぐ
の時代に、多品種の車種を効率的に生産するシステムJIT への模索が始められていたことを考えれば、現状に満足することなく、顧客満足の向上に向けた最適な生産システムへの改革は、つねに視野に入れておきたいものです。
②生産管理情報システムと生産設計の課題
いまや、製造業にとって、ERP・生産管理情報システムの設定は、重要な課題です。
近年とくにIT のハード、ソフト両面で技術革新が加速し、ビッグデータの扱いがストレスなく行えるようになり、また、人工知能、量子コンピュータなどのような試みも想像を絶するスピードで進んでいます。
その結果、設備の通信プロトコルも事実上統一化が進み、インターネットで接続された各工程の設備が、人工知能で自動的に判断して最適な工程を選択するという、スマートファクトリーも現実味を持って語られています。
これに伴って、生産管理システムやPOP(Point of Production)も大きく変わろうとしています。
いま、まさにその変化点にいるといってもいいでしょう。
技術革新の動きをしっかりと確認しておきたいものです。
(4)生産管理部門と社内の関連図
①社内外との連携
生産管理部門の業務は、生産管理部門だけでは遂行できません。
生産活動そのものが社内外の多くの部門との連携で行われるものであり、多くの部門
との情報共有、コミュニケーションの巧拙が、効率的な生産活動と納期順守を実現するカギと言えます。