生産管理の目的
第4部 これからの生産管理部門の役割
1.生産管理部門の役割と業務の流れ
(1)生産管理の目的
①継続的に収益を上げること
最初に生産管理の目的と役割を確認しておきましょう。
生産管理が果たす役割でもっとも重要なのは、最終的に、「生産活動を通じて、企業が継続的に運営できるように、収益をあげること」にあります。
「継続的に収益を上げる」経営を展開するためには、
・企業の活動としてものを生産するプロセスにおいて、
・効率的に運営できるように準備し、実施し、
・生産の4 要素である4 つのM(Man、Machine、Material、Method)と 情報を駆使して、
・P(Plan)─ D(Do)─ C(Check)─ A(Action)を回しながら、
・最終的に消費者や顧客が満足するQCD、S(安全)、E(環境保全)を実現することを通じて、
・企業が永続的に収益を上げ続けることが生産管理の最終的なゴールです(図表4-1)。
顧客満足という言い方がありますが、「継続的に、収益を上げる」ことを目指せば、必然的に、「消費者や顧客が満足」するような商品を提供し、事業を展開しなければなりません。
また、そのためには、顧客や消費者だけでなく、社員や株主、自治体、協力企業などステークホルダー全体へのバランスの良い利益配分が不可欠で、ステークホルダーの間で、win-win の関係づくりが必要です。
このために製造のプロセスを遅滞なく進める業務を生産管理と呼びます。
単に納期順守、進捗管理…を進めるのではなく、その結果がどのように収
益に貢献しているのか、それを確認することが必要なのです。