生産活動の評価指標──これからのQCDの考え方
3) 生産活動の評価指標──これからのQCDの考え方
Q(品質)、C(コスト)、D(納期)の3 つを工場管理の3 要素と呼びます。
工場では、これに、安全や、環境などが管理されますが、その仕上がりを保証するQCD は重要なテーマです。
①品質(Q : Quality): 高品質を仕組みで保証する
1) さまざまな品質
品質といっても、その意味は広く、さまざまな意味が含まれています。
自動車を購入する際に、顧客が求める品質は、NVH 性能( Noise 騒音,Vibration 振動, Harshness 乗り心地)などが代表的ですが、傷や損傷・瑕疵などの他に、駆動の安定性や耐久性、デザイン、操縦性、走行の安定性、加速性能、あるいは、オプション品の質や種類、などまであります。
メーカーとしては、それらを総括して品質と考えて、その中から自社の置かれた状況や得意な技術領域を前提に、独自の基準で、自動車の品質を定義し、それを実現するために自動車を設計し、生産することになります。
2) 品質と特性・性能
工程で管理するのは、設計品質と品質のバラツキ(製造品質)です。
品質がよいとは、不良がないことをいいますが、基本は、ばらつきがなく仕上がっていることことが重要です。
生産する立場から、よい特性が出るものを「品質がよい」と考えがちですが、「品質がよいとは、バラツキが少ない」ことで、特性・性能と品質の違いを確認しましょう。
3) トレーサビリティ
QC は、作り上げる製品の品質を向上させる非常に優れた手法ですが、仕組みとして高品質を保証するものではありません。
この欠点を補うものが、PL 法における消費者保護の考え方やISO9000 シリーズなどの国際規格が求めるトレーサビリティ(追跡可能性)です。製造方法だけでなく、管理方法までもが明確になっていることが求められています。