生産セッションコーディネータインタビューその7|製造業は、稼働率ビジネス?
2015ものづくり総合大会の生産セッションコーディネータ 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの石田秀夫氏にお話を伺いました。日本能率協会の成富一仁がインタビューします。(以下敬称略)
製造業は、稼働率ビジネス?

成富
オリンパスさんの講演はいかがでしょうか。
石田
オリンパスさんは、「保全のひとづくり」がテーマでしたね。
成富
そうですね。
石田
一時期、保全マンが、少なくなったという危機からはじまるご講演でした。
保全マンが少なくなり、力が落ちてきため、自社設備の開発に取り組みだしたのです。
設備の自社開発をやることで保全の力も、付けられたという話でした。
オリンパスさんに関わらず、ものづくりで、強いところは、設備を内製化している企業さんが多いですね。
設備の内製化をやることで、他社では作れないものが作れたり、もしくは他社にはないレベルで、作れたりするという事が利点にあるのだと思います。
また、そこには当然、匠の技が関わってきています。
レベルの高い設備を作ることが、それだけレベルの高い作り方をしなきゃいけないし、そこには技能がなきゃいけないので、保全マンとしても人材育成ができて、レベルが高められているのだと思います。
特に設備を多く保有している企業は一言で言うと稼働率ビジネスなのです。
ですので、故障して設備が止まっていちゃいけないわけです。
「壊れないようにする」という話なのですけど、結局、保全マンが設備を、知り尽くさないといけないので、「壊してもいい」といって、設備の中のメカニズムがわかるように分解して理解させるところが興味深い内容でした。
設備は高価なので、あまり壊せなかったりするのですが、あえて分解させて触り尽くすところがポイントだと思います。
また、新しい設備開発の時に、既存の設備を触っているので、保全マンが、設備の使用に関してフィードバックができる。
これは、なかなかできていない会社が多いので、大事な点だと思いました。
フィードバックする仕組みを作って、生まれのいい設備を、作っているのです。
成富
ありがとうございます。
石田
あとは、維持する仕組みについても興味深かったですね。
設備をいい状態で維持するためには、人も必要ですけどお金も必要です。
それも設備診断ということで、費用を確保していたことですね。
保全費は、削られたりすることが多いので、その対策も必要だという意識があるわけです。
成富
確かにそうですね。
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