生産セッションコーディネータインタビューその2|生産技術においての自動化の効率化とは?
2015ものづくり総合大会の生産セッションコーディネータ 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの石田秀夫氏にお話を伺いました。日本能率協会の成富一仁がインタビューします。(以下敬称略)
生産技術においての自動化の効率化とは?

成富
各講演のポイントになる取り組みをお聞きしてよろしいでしょうか。
石田
安川電機さんは、ロボットを作っている会社なのですけれど、ロボットを作るのに、自分達もロボットを使って自動化する、という講演でした。
ロボットが製品で、製品を作るための生産技術を開発・設計と一緒になって考えているというところは、安川電機さんの強さだと思います。
生産しやすいものを、開発設計していくということがポイントだったと思いますね。
ロボットというと人の作業を置き換える事をやります。
例えば溶接したり、ネジを締めたりという作業はロボットは得意です。
ロボットにとって難しいのは、柔らかいものを、掴んだり組み立てたりすることなんです。
例えば、ゴムなどです。
そういう難しい課題にもチャレンジしている内容も講演ではありました。
「自分達がロボットを売っているから、それはできないといけない」という意識があるのかもしれません。
そこが大きなポイントだと思います。
当たり前なのですけど、難しい事ができないと、簡単な事はできないと思います。
難しい事に自らチャレンジしていくという点が聴きどころだったと思います。
また、一方で自動化の効率化を目的として、生産技術センターという機能を持っていて、今までに開発された生産技術を、成功も失敗も全部、データベースに蓄積している内容がありました。
いわゆるナレッジマネジメントをしっかりとやられている。
「同じ失敗は、後輩もしないように」という仕組みを、組織として推進されていたと思います。
自分達の商品は、ロボットで、自動化というとロボットが代表選手なので、自分達で自動化レベルを上げていかないと商品が売れないし、ソリューションも提供できないため、自動化率を高めている内容を興味深く聞いていました。
成富
そうなのですね。
石田
「難しさ」という点では、例えば目の部分が難しいのです。
ここに物があるよ、と認識する画像処理ですね。
あとは指の部分で、割れるものだと、繊細に触らないと割れるため、力の部分ですね。
難易度の高い内容にも、視覚センサーや、力覚センサーを活用して自動化している。
また、固有技術は、基本的に「難しいものからやっていく」とお聞きしました。
乗り越えるハードルは高くても技術が残ることが多いと思います。
成富
「難しいものからやる」姿勢がポイントなのですね。
石田
はい、そうですね。
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