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2020ものづくり総合大会 事務局後記 TDK

変わらないTDKと変わり続けるTDK

TDKの歴史とポートフォリオの転換

1935年、TDKの歴史は東京工業大学の加藤与五郎博士と武井武博士が発明されたフェライト磁性体の工業化から始まりました。TDKの旧商号である東京電気化学工業は、大学発ベンチャー企業の先駆けです。

このフェライトを源流とし、さまざまな製品を創出してきたTDK。フェライトは、ラジオ、テレビ、パソコン、スマートフォン、車などあらゆる電子機器に使われており、2009年にはIEEE(※1)にも登録されています。

1968年、TDKは世界初となる音楽用カセットテープを開発しました。「TDKのイメージはカセットテープではないでしょうか。私はまさにこの世代です。これをやりたくてTDKに入社しました。カセットテープに好きな音楽をいっぱい入れてドライブしたら、どんなに素敵だろうと。そんなわくわくする生活をサポートしていたのがTDK でした」と石黒社長は振り返られました。

1980年代前半、3,000億円弱だった同社の売上高は、2019年3月現在では1兆3,800億円、海外売上高比率は91.8%、海外生産比率85%、従業員数は約10万人、うち海外従業員比率は90.7%と、海外比率の高いグローバル企業へと大きく成長しています。海外比率が高くなった要因として、数多くのM&Aを行ってきた経緯があります。

HDD用磁気ヘッド関連では、1986年にSAE Magnetics(香港)、2000年にはHeadway Technologies(米国)を買収しています。「買収した会社を競争させ、そのとき生き残った会社は唯一のサプライヤーになっています。競争のないところに成長はないという1つの例と言えるでしょう」。また、2005年には電源事業のLambda powerグループを、2008年には受動部品のEPCOS(ドイツ:現TDK Electronics)を買収しています。

近年では米国や欧州のセンサーやアクチュエーターの会社を買収し、次世代の技術を導入する同社。「オーガニックに成長する部分とM&Aで成長する部分との両輪で回していこうと考えています」と石黒社長は述べられました。

M&Aで新たな技術を導入しながらもフェライトを源流とした土台は、いまだに成長し続けています。TDKの成功した事業をたどっていくと、そこには2つの「変わらない技術」がありました。1つは材料技術、もう1つは生産プロセス技術です。「ここは変わらないTDK。この土台がしっかりしているので我々はその上にさまざまなものを載せることができるのです」。同社では買収だけでなく、事業撤退とそれに伴う売却資金の活用も行っています。時代によってポートフォリオの入れ替えを積極的に行うことで、コア技術を活かし、事業構造の変化を繰り返しながら、TDKは変わり続けています。

未来に向けた多様性の中でのものづくり

TDKは、今後の成長分野としてEX(エネルギートランスフォーメーション)とDX(デジタルトランスフォーメーション)の2つを潮流と捉えています。人口の増加に伴って生活が便利になるほど、エネルギーを使い化石燃料を消費していく。その結果、悪影響を与える物質の排出により、地球環境を破壊しているのが現在だと言えるでしょう。石黒社長は、こうしたリスクを次世代に引き継がないように「EXはTDKがやらなければならない」と論じ、TDKの電磁変換技術から新しい価値を生み出したいとの考えを示されました。

また、IoTなどで収集されたデジタルデータが情報に変換され、生活を豊かにし生産性も向上していく。「EXとDXは、我々が社会に価値を提供できる大きなチャンスだと考えています。このチャンスを着実に捉える成功の鍵を何年もかけて考え続けていたとき、ふと顔を上げるとそこに答えがありました。創業者も同じことを考えていたのです。『創造によって文化社会に貢献する』という社是こそがTDKのコアバリューだということに気づきました」。

それでは、EX、DXのこうしたチャンスに、TDKの技術で社会に貢献するには何をすればよいのでしょうか。「結論は意外とシンプルでした。“Time to Market”,“Time to Quality”,“Time to Volume”。つまり、価値を世の中にいかに早く提供できるか。いかに良いものを作れるか。そしてお客さまの欲しい量だけ、きちんと揃えて出せるか。そのためには、時間を短くしなければならないのです。経営のスピードを上げていかなければならない。そのために、皆が頑張りたくなるような仕組みや仕掛けを作らなければならないことに気づいたのです」。

組織づくりと人財づくり

10万人の多様な人財が所属する組織を高度に活用する仕組みとして、権限委譲(エンパワーメント)と組織の透明性(トランスペアレンシー)を整備した同社。さらに中央集権的な組織ではなく、自律分散型の組織へと変革しました。

TDKでは、変化の激しい経営環境下で、活性化し成功し続けられる仕組みとして経営会議の改革を行いました。また、経営会議(ECM)や事業計画検討会、実績検討会の共通言語を英語にしました。「トランスペアレンシー(組織の透明性)が重要です。同じ環境の中で手の内を明かして『同じ言葉で話し合おう』ということなのです。こうしたことで会議への参画意識が明らかに変わりました」。

ECMの開催地は日本だけではなく、海外のグループ企業で実施するようになりました。このことがよい刺激となり、各拠点間での相乗効果につながっています。たとえば、2019年のECMは、2017年に買収した企業の視察も兼ね、米国のInvenSense 社で開催されました。このように年数回の経営会議はテーマを決めて実施されるようになっています。また、ECMで議論し尽くした上で取締役会に上げるため、経営の意思決定も迅速化しています。さらに地域本社を中国、米国、欧州に設置し、密接に日本本社と連携しながら運営することで真にグローバル化する基盤が整いました。

人財づくりでは、人財本部をドイツに置き、大規模な人事制度改革が行われています。(1)DX、EXに向けた次世代人財の育成、(2)評価・報酬基準を統一するグローバル人材プラットフォームの設置、(3)コミュニケーションの促進、といった3つに焦点をあてることで、持続的価値の向上に向けた方針と施策が策定されています。

このように、経営と執行のバランスの取れた体制で、多様なグローバル人財をグループの力として結集するための新人事システムを設置し、スピード重視の経営システムが実行できる環境づくりに注力することで、TDKは技術・製品で幸せな未来社会を創っていくとしています。

※1:米国に本部を置く電気・情報工学分野の学術研究団体、技術標準化機関


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