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2020ものづくり総合大会 事務局後記 コマツ

コマツのイノベーション戦略

1921年創業のコマツは2021年に100周年を迎えるグローバル企業です。2019年度の連結売上高は2兆4,448億円、従業員は約6万2,000人。主力製品は、油圧ショベル、ブルドーザーなどの建設機械が約90%を占めています。これらの売上高の日本比率は14%であり、世界市場の割合が高いグローバルに開発・生産・販売を展開する総合機械メーカーです。

開発と生産を同時に高度化するスマートコンストラクションへの取組み

建設現場の労働力不足は、2026年に128万人ほどになると推定され深刻化しています。この状況が続くと、20年後にはインフラの維持管理はおろか造ること自体が難しくなるとされ、大きな社会課題になっています。野路氏は「こうした社会課題を解決するため、コマツではスマートコンストラクション(※1)を推進してきた」と述べられました。

また、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場を創出することで、顧客価値の創造を通じたESG課題の解決と収益向上の好循環を目指す同社。横軸にはモノ(建設機械の自動化・自律化)を、縦軸にはコト(施工オペレーションの最適化)を置き描いたロードマップを前に、「建設機械だけで自動化、無人化しても生産性は上がらない。モノだけではなく、コトのレベルも同時に高度化していくのがデジタルトランスフォーメーション(DX)の理想の形」だとし、開発と生産が一体となることで、イノベーションの創出をけん引したい考えを示されました。

このように生産性を向上させることは製造業にはチャンスである反面、これまで10台で100の仕事をしていたことが、半分の5台で可能となることでもあり、「現在のビジネスモデルを破壊する、自分の首を絞めることでもある。しかし、コマツはあえてそれに挑戦している。我々がやらなければ誰かがやるだろう。自ら破壊していかなければ勝てない」と論じました。

レイヤー戦略への転換で新たな価値の創出へ

野路氏は、『デジタル戦略』(※2)を例に挙げ、「これからはバリューチェーンからレイヤー構造に変わると言われている。開発がどんどん高速化していくだろう」と説かれました。初期のKOMTRAX(建設機械の遠隔監視システム)は組み込みソフトであり、データ収集も1日単位でした。2019年にリリースした次世代KOMTRAXではリアルタイムに近いデータ収集が可能となり、長年蓄積したデータから、新しい価値を生むプラットフォームビジネスへの環境が整いました。さらに他社や中古の建設機械をICT化するレトロフィットキットも市場投入したことで建設現場のICT化の加速化に貢献する同社。「現在さまざまなメーカーがアプリを作っている最中。これがデファクトスタンダードになると考えている」と述べられました。

高い目標へのチャレンジ

最後にものづくりに関わる方へのメッセージをいただきました。「若い世代の人たちには高い目標をもってチャレンジしてほしい。チャレンジしても、若い頃はほとんどの人が失敗する。しかし、失敗することによって人材は育成されていく。周りの人はしっかりとサポートをして、目先の利益だけを追うのではなく、若い人を育成していってほしい」と締めくくられました。

※1:建設生産プロセス全体のデータをつなぐことで現場全体を可視化し、スマートな「未来の現場」を創造していくソリューション。

※2:『集中講座デジタル戦略 テクノロジーバトルのフレームワーク』,根来龍之著,日経BP,2019年8月8日


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