- 製造部門をマネジメントされている方
- 製造部門の係長、工長、職長
~緊急事態宣言、情報3密職場を目指して~

冷延制御室
作業長
- 制御保全職場の現状と課題
- ICTを活用した業務負荷軽減への取り組み
- 改善活動による人材育成及び業務効率化を進める好循環職場の実現
講演概要
「 明るく元気な自立した職場」
私が作業長になったとき、目指したのは「明るく元気な自立した職場」でした。この目標を実現するためには、改善活動が最も有効だと考えました。みんなが主体的に職場の課題に取り組むことで、コミュニケーションも良くなり、グループ全体がレベルアップすることができるからです。しかし、当時の職場は業務負荷が増えており、そのため士気が下がり、改善活動に取り組む余裕は全くありませんでした。「緊急事態」とも言える状態だったのです。
若手の姿がヒントに
そこで、早急に取り組むべきは「業務効率化」であり、「技術・技能の伝承」を含めた「人材育成」であると考えました。まずは、改善活動に取り組む時間を創出することが必要だと考えたわけです。しかし、具体的にはどうすればよいかがわかりませんでした。ひとりで悩んでいた時、目に飛び込んできたのは、昼休みの間、スマートフォンやパソコンを縦横無尽に駆使する若手メンバーの姿でした。その姿を見て、「ICT(Information and CommunicationTechnology)を活用することで、職場の効率化ができるのではないか」と考えました。
3 段階のプランを策定
ICT 活用を進めるにあたっては、3 段階のプランを策定しました。STEP1 は、非効率的だったミーティングを充実化する仕掛けです。ミーティングを充実させるために会議室の大型モニターを活用し、現場で利用しているタブレットの手書き機能も活用して、会議をするようにしました。
STEP2 は、職場に導入されているICT ツールの運用方法を整理し、活用しやすくすることでした。今まで活用しきれていなかった社内のIT ツールを整理し、業務効率化を図りました。チャットの活用を促進することで、若手メンバーが本音を言いやすくなりました。STEP3 は、忙しい中でも「業務効率化」と「人材育成」ができるようにする改善活動の仕掛けです。毎日入力している「作業計画・実績表」に、その日の安全当番がコメントを入力するようにルール化しました。その結果、非効率的な作業の実態が浮き彫りになりました。見つけた課題の解消のために、中堅社員と若手社員でチームを編成し、取り組んでもらうことにしました。これは、リーダー育成及び若手の成長が狙いでした。その結果、チームは課題を解消し、非効率な作業を撲滅することができました。そして、ベテランと中堅、若手の間のコミュニケーションもさらに円滑になり、お互いが「密な」関係となりました。
「 業務効率化」と「人材育成」に成功
これらの活動により、「人材育成」「技術・技能の伝承」「業務効率化」のサイクルが回せるようになり、改善活動が活発な職場になりました。こうして、私が目指した「明るく元気な自立した職場」に近づくことができたのです。