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これからの生産技術者の役割【第3部】3. 製品生産マスタープラン(5)

5 コストイニシアチブを高める

コスト開発を進めるために重要な視点として「コストイニシアチブが取れているか?」ということがある。部品や材料を調達する上で、自社が交渉主導権を保持しているかどうかである。コストイニシアチブの度合いが低いとなかなかコスト目標が達成できないということになりがちである。コストイニシアチブを取るためには4つの視点がある(図表3-16)。

3-16

①調達量を増加させることによリイニシアチブをとる
②コスト把握水準を高める
③内製化できる同様の技術を持つ
④技術の内外作を検討する

①調達量を増加させることによリイニシアチブをとる

1つ目の視点として「調達量を増加させることによリイニシアチブをとる」ということがある。調達先に対して、調達量の比率が低いとなかなかイニシアチブは取れない。その場合に、「固定/変動化」も一つの有効な手である。不要なバラエティを削減することにより、1品あたりの調達量を増加させる方法である。さらに自社だけでなく、世の中の標準品を多く使用する、あるいは、もう一歩進めると会社間での共同購買という方法もある。

②コスト把握水準を高める

2つ目の視点としては、「コスト把握水準を高める」ということがある。コストを把握するということは「コスト発生要因」を把握するということであり(図表3-17)、単に購入価格を把握するのではなく、なぜそのコストになっているのかということを把握することである。

例えば、1,000円である部品を調達している場合に、なぜその部品は1,000円なのかということを徹底的に追究することである。1,000円になっている原因は必ずある。そこをどれだけ把握しているかで、交渉の仕方も変わる。コスト競争力が高い企業の調達部門は間違いなくこの力が強い。

3-17

③内製化できる同様の技術を持つ

3つ目の視点として、「② コスト把握水準を高める」の延長になるが、いざとなったら内製化できる同様の技術を持つということである。すべての部品について内製化技術を持つことは困難だろうが、オープンイノベーションの時代には自社だけでの技術開発にこだわる必要はない。コストウェイトが高い部品や材料については外部との連携も含めて技術開発を進めることも必要な場合がある。

④技術の内外作を検討する

4つ目の視点は、技術の内外作の検討である。

先行技術開発テーマを検討する際に問題になるのがリソースである。重要性は高く、先行技術を開発しないと商品開発に間に合わないがリソースが足りない、という場面はよくある。その場合、どのテーマを社内で開発し、どのテーマを社外と連携して開発するかを検討するために内外作評価が必要となる。

通常は、その技術は差別化のキーとなるような重要な技術なのか、あるいはそれほど重要ではない技術なのかという「技術重要性」によって内外作を検討する。重要性の高い技術は差別化の上でキーとなるような技術は付加価値が高く、商品開発計画に大きな影響を与える場合が多いために、タイムリーにマネジメントアクションが取れるように自社内で技術開発を行うことになる。

しかし重要性の高い技術でも、一時的な「割切り」が必要な場合がある。それは「重要だが、自社内のリソースで開発していては商品開発のタイミングに間に合わない」というような場合である。あとで社内に取込みたい重要技術なら、割切ってその時だけは外部を活用するという決断が時には必要である。将来を考えた時に重要技術を外に依存するのはデメリットが大きいからである。

ここで、技術の内外作について整理しておくと、メリットとしては、

  • 開発人員や資金などリソースを重要な部分に集中化できるので、社内に残すコア技術の強化をより効果的に進めることができる
  • 外部に委託した技術に関しては社内で技術開発を行うより時間、および費用をかけずに手に入れることができる
  • 商品開発にタイムリーに適用できる
  • これらを通じて研究開発費を抑制できる

……などがある。

 一方デメリットとしては、

  • 外部に委託した技術については技術がブラックボックス化してしまう
  • 技術の将来像が把握できず、開発戦略が自社で検討できない
  • 品質的な問題が起きたときに自社では対策が打てない
  • コストが見えなくなり、コストイニシアチブは取れなくなる

……など、ブラックボックス化することで、中身が見えなくなり、それが開発の途中であれば開発に遅れを生じるし、市場投入後であれば市場からの評価を大きく下げることになりかねない。


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