これからの生産技術者の役割【第3部】1. 生産技術の「想い」の明確化 ── 受注型生産技術から提案型生産技術ヘ(3)
3 コンカレントエンジニアリングの展開
コンカレントエンジニアリングは、開発の源流段階から関連部門が集まって、事前検討を実施し、課題抽出を行い、同時並行で解決活動を展開しスムーズな立上げを実現する、製造業では当たり前になった活動である。
ある企業では、全体構想審議会なるものを設けて源流段階で全体構想書を作成し、商品の企画内容を整合させた後、各部門がその目標を達成するために何をいつまでにすべきかを明確にした計画書を作成して、同時にスタートしている。
このコンカレントエンジニアリングを展開するためにはプロジェクトマネジメントも重要になってくる。プロジェクトマネジャー(PM)が各関連部門の進捗状態を把握しながら、プロジェクト推進上の問題や課題を明確にして、その解決を適時図っていくことになる。コンカレントエンジニアリングとプロジェクトマネジメントは商品開発を効果的に推進するための両輪である。
また、進捗状態を把握し、各部門の活動内容が見えるようにすることも重要で、管理の方法は、エクセルやスケジュール管理ツール、PDM(Product Data Management)等を活用するなど多岐にわたる。コンカレントエンジニアリングを概念的にイメージすることは簡単だが、実運用を行うためには仕組みや仕掛けが必要なのである。