これからの生産技術者の役割【第2部】4. グローバル生産人材の育成(2)
2 改善マインドをもった生産技術者の育成
以上のように、改善マインドをもった生産技術者が求められるが、そこで必要なのは、強い改善への想いである(図表2-6)。
グローバル競争に勝つためには、品質競争力、コスト競争力でトップレベルになる必要がある。このための差異化技術と改革の方向性を明確に示さなければならない。そのためには、ありたい姿・シナリオの作成が大切である。
現場力の基本は三現主義(現場・現物・現実)であり、現場で、設備をみて、人の気持ちまで想像することで課題を発見・把握する力がつき、たゆまぬ改善につながる。品質については、“工程で品質を作り込む”、“後工程はお客様”が大原則で、これに基づいた工程設計と改善が基本となる。
また、キャッシュフローを意識したものづくりも重要である。経営の視点で見れば代金回収までが1サイクルで、お金が回らない限り経営は成り立たない。その意味では、在庫の削減とリードタイム短縮により全体の生産スピードを上げることが大切である。
改善を進める場づくりも重要で、現場レベルの小集団活動からスタッフレベルの検討会まで、各スタッフが自ら考えて、PDCA(Plan-Do-Check-Action)を自律的にまわすことが大切と考える。いろいろな階層、横串機能も含めた“検討の気づきの場”を作り、意識を変える学習のサイクルを回したいものである。