これからの生産技術者の役割【第2部】3.
内外作の最適化(3)
3 戦略的内外作決定
内外作を検討する際、生産能力や品質、技術力といった実務的な面からの検討以外に、経営資産を増やすことを基本目標として、経営戦略的な視点から検討する場合がある。経営資産とは、開発~営業の各領域における“技術力”、“管理力”、“人材”を指す。
戦略的内外作を検討する際の基準に、以下のようなものがあげられる。
1)営業面
自社製品の市場拡散やイメージアップを考え、製品・機能・製品・ユニット部品・加工部品・材料・原料を特定グループから調達する。
2)開発面
将来の製品開発の種となる製品・機能製品を競合メーカーあるいは、将来競合の可能性のある企業から調達する。
3)設計面
現時点で製造技術はないが、製品機能の向上につながる可能性があるユニッ卜部品・加工部品・材料・原料を競合メーカーあるいは、将来競合の可能性がある企業から調達する。
4)調達面
良い取引先が開拓できるような情報ネットワーク、管理の仕組みをうまく機能させている企業から調達する。
5)製造面
自社での生産も可能であるが、互いの製造特性が生かせるような補完関係があり、共存共栄の関係が望める企業から調達する。