これからの生産技術者の役割【第1部】4. これからの生産技術者に求められるミッション(1)
1 エンジニアリング手順・ノウハウの体系化と見える化
図表1-11に生産技術マネジメントを示す。
マネジメントの側面からは、エンジニアリングの手順とノウハウを体系化し、それを見える化することが大切と考える。開発設計段階は、一般的に基本設計と詳細設計に分かれる。基本設計段階は、構造、レイアウトの検討が中心であり、この段階での生産技術の参画のしかたは、モジュールとものづくりの関連をシステム的に考えることである。この段階では、図面分割も検討する必要があるが、設計の図面分割と製造の図面分割の考え方が違う。設計は、機能単位の図面を作成するが、製造は工程単位の図面を必要とする。このためこの段階で、製造のものの作り方にあわせた図面構成(製造BOM:Bill 0f Materials)の検討が必要である。
またこの段階で品質作り込みのポイントを留意し、方向性を出す必要もある。モジュール自体の精度、モジュールとモジュールの組付け精度、それらと生産設備の精度との関連など、本質的に必要な精度を前提に、加工では仕上げ精度にあった生産設備化を図る必要がある。
また自働化・自動化レベルがモジュール単位でどこまで求められるかの検討も必要である。このときに大切なのは生産量と種類の関連で、生産設備の稼働率も考えておく必要がある。