これからの生産技術者の役割【第1部】3.
これからの生産技術の役割(2)
2 品質をすばやく作り込む
品質を作り込むプロセスは、お客様の要求事項を開発要件としてまとめ、それを仕様(機能・性能)に落とし、そこから構造化し、具体的な“もの”として作り込むことである。
品質とは、「もののばらつきを少なくして均質化すること」か「ばらつきの範囲をある水準に保つこと」である。製品のばらつきをなくすためには、プロセスそのもののばらつきを少なくしなければならない。生産技術の役割は、構造化の段階からものづくりのプロセスでばらつきをなくすことにある。
材料の選定では、材料のばらつき、特に組成の確認から始まる。微細加工の世界では、材料のナノレベルのばらつきや配合組成の違いで品質が大きく変わるケースも少なくない。電子顕微鏡レベルで、素材特性を確認する作業も必要な場合がある。工法の選定と工程設計では、工程能力を十分つかむ必要がある。
日本の製品は、競争力をあげるために品質精度が1桁、2桁高いといわれているが、工程設計においては特にばらつく工程の対策に留意する必要がある。