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ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

240-2 トリコット通り--呼び名が残す、模範的な工業団地の栄華

 来た道を戻り、国道293号線、通称トリコット通りを南に右折し、東武線「福居」駅へ。徒歩なら東武足利市駅から電車に乗り、館林の方向に向かって2駅目「福居」をめざそう。
戦後の一時期、足利の街はトリコットの生産で活況を呈した。
産業の集積化を目指した国の政策にのり、足利では昭和30年代にトリコットの生産に力を注ぐべく、トリコット工場を集めて2つのトリコット工業団地を造成した。

それらを結ぶ道路・橋として昭和41年に作られたのが田中橋で、県内初の有料橋だった。この年、足利のトリコット生産は日本一に躍進した。
トリコットは、素材は合成繊維。加工内容も、織物からニットのタテ編みに変えて成功し、トリコット団地は工業団地づくりの模範とも言われた。
当時トリコット工場が集積していたのが足利の南部を南北に貫く国道293号の沿線であり、この道が後に、通称としてトリコット通りと呼ばれるようになったのは、この周辺にトリコットを扱う工場が集積していたからである。
足利の特筆すべきところは、こうした活況が、地元企業によってもたらされたという点にある。足利の変わり身の速さがうまく発揮された結果だったが、その活況もいまは、ショッピングモールに変わった。
このトリコット通りを南に下り、東に折れると、東武線「福居」駅に出る。東部足利市駅から舘林に向って上ると、福居駅に到着するすぐ右側に戦時中の明細がそのまま残るレンガ工場が見える。
これが、次のターゲット、旧明治紡績工場跡(現:トチセン)の福居工場である。レンガに何やら黒で描かれているが、これは戦時中に、中島飛行機の工場をめがけて飛んでくる爆撃機の空襲をそらすために施された迷彩がそのまま残されているのだ。


かつてはトリコット工場がたくさん並び、隆盛を極めていた国道293号、通称“トリコット通り”。今ではトリコット工場はなくなり、流通業が進出して市内有数の繁華街でもある。周辺には、まだ繊維産業の工場も見られる。正面に見えるのが渡良瀬川を渡る田中橋、まっすぐ行くとJR足利駅に通じている。


「足利トリコットの歴史」碑。足利が昭和22年から40年代後半まで、トリコット生産で日本一を誇っていたころの発展に尽くしたリーダーを顕彰するものとして、リーダー3人の胸像とともに織姫神社の境内に建てられている。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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