ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

235-2 旧飯塚織物工場――産業遺産の活用法/桐生自動車博物館(MAEHARA20th)

旧飯塚織物工場は現在、MAEHARA20thとしてクラシックカーの展示場(桐生自動車博物館)として使われていて、彦部家住宅の近くにある。

建物は1933(昭和7)年に合名会社飯塚織物工場として建設されたもので、同工場は桐生における個人経営の工場で先進的な機械設備を導入して輸出向けの高級織物を手掛けたとされている。

外壁は大谷石を12段積み上げた重厚な作りで、木骨石造平屋建て。木骨で支えた北向きのノコギリ屋根はで8連でスレート瓦葺。

初期洋風建築の様式を良く伝える。

外観は北側の基礎が低くなっていることを利用して、北東側からの視野を意識するように遠近法で奥行きが強調され、北側の両端の柱も半円形に造りだされて石造の重厚さを一層感じるようになっている。

デザインの一環としてみる人の視点を意識し、石津くる工場の重厚感を強調したの工夫も洗練されている。

桐生市の織物産業の隆盛を物語る建造物であるが、織物校以上として操業を停止した後も、経営者によってクラシックカーの私設博物館として活用されている。

公開日が少ないので内部を見るには確認が必要。ただ、外面だけでも一見の価値がある。視点を変えて工場がどのように見えるか確認してみると面白い。

織物工場として作られた工場が廃業してしまうのは歴史の流れだが、その工場が廃業でなくなってしまうのではなく、別の用途でこうして活用され残されていくのというのは一つの在り方として考えられる。

もちろんそのために改造も行われるだろうが、しかし、基本的なデザインや部分的な構造でも残されていくのは歓迎するべきだろう。

文化財や歴史的建造物などに指定して後世に伝えるというのが一つの方法だが、指定されることによって、維持するための費用も必要になり、改修等にも制限がかかってしまう。所有者としては、なかなか維持しにくいという実情も、考慮する必要がある。

とかく、自然保護、文化財保護というと、手を加えずにそのまま残すという意見が聞かれるが、それは言い換えれば、自然に朽ちさせるということでもあり、そのために、逆に早く朽ちてしまう施設も見受けられる、

近年は、表面のデザイン=ファサードを活かして内部には手を加える、改修しながら残すという方法がとられるケースが多くなっているが、社会の中で維持していくためには、こうした方法も積極的に考えてもいいのではないかと思う。

この工場の先に、古い民家がある。個人宅なので、外から見せていただこう。桐生の歴史をここでも感じることができる。


大谷石を12段積んだ重厚な作り、8連のノコギリ屋根工場は、桐生市内でも現存する同種工場でも他の類を見ない大きさである。


前の写真とこちらから見る写真の印象が大きく違う。これ土地が低い北側の土台を高くしていることで、北側から見たときに遠近法で遠くが小さく見える=奥行きがあるように見えるためだ。


重厚な雰囲気と、窓上部のアーチ等、外装は当時の洋風建築へ思いが伝わってくる。


現在はクラシックカーを展示する博物館として利用されている。週末には公開されているので、見学を希望される場合は、事前に確認をされたい。


隣にある民家。歴史を感じさせる構えだ。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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