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ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

216 近代化を支えたレンガづくり――日本煉瓦製造株式会社/深谷

■近代工場建設に求められた耐火レンガ
 日本の近代化を語るときに、レンガは欠かせない。
富岡製糸場をはじめ、東京駅、赤坂迎賓館、横浜の赤レンガ倉庫・・・とあげればきりがない。黒・グレーが基調の日本の建物に対して、レンガの特有の色は新しい文化の到来を予見させた。
 富岡製糸場だけでなく、明治に作られた多くの工場がレンガを建材として使っているが、その最初になったのは、安政4年(1857年)に官営の長崎造船所を建設する際に、和式の瓦職人を指導して作らせたのが最初であったようだ。
建材にレンガが使われたのは、基本的には耐火を狙いとしたもので、造船所建設の指導者でもあったオランダ人技師の要望によるものだった。

 産業の近代化を進めるにあたって、工場は大きくなり、そうした際の最大の問題は、防火であった。
木造建築の日本の町では火災が頻繁に起こり、「火事と喧嘩は江戸の華」などと言われるほど、江戸の町では、ほぼ毎日のようにどこかで火災が発生していた。
そして、何年かおきには強風の中で発生し、広範囲に家屋を消失するような事態が起こっていた。防火こそ、工場建設に際して最大の課題だったのである。
以後、横須賀製鉄所(1868年)、富岡製糸場(1872年)と大きな工場が作られるが、いずれもレンガ造りで、それぞれが専用の工場を建設してレンガを焼くしかなかった。
横須賀製鉄所のレンガを焼いた窯は、比較的長く作られ、新しく作る洋式灯台やドック、横須賀の水道などにも使われた。
選択肢がないために自作せざるを得なかったわけである。これらの工場のあと、レンガ造りの建築技術を学ぶ日本人技術者も増え、そのため、工場を建設する際に、競うようにレンガが使われるようになった。

■ホフマン窯で連続焼成が可能に
新しい工場が立ち上がるたびにレンガへの需要が増え、市場でもレンガ造りが求められてきた。
こうして需要にこたえてレンガを提供する工場として、明治16年に近江八幡に中川煉瓦製造所、明治20年に、深谷の日本煉瓦製造株式会社、京都府舞鶴の竹村丹後製窯所(神崎煉瓦)、翌明治21年には栃木県野木町の下野煉瓦製造会社などが作られた。
日本煉瓦製造(株)ができた深谷は渋沢栄一の出身地でもあり、政府も加わった政策として作られ、北関東の繊維工場の近代化に貢献することになった。
富岡製糸場のレンガは、だるま窯という日本の技術で作られたが、より大量の需要にこたえるため、これらはドイツ式のホフマン窯が作られた。これは、環状のトンネル窯にして成形したレンガを連続式に投入することで、連続焼成での量産を可能にするものだった。
需要にこたえて、1号窯、2号窯・・・6号窯まで作られた。この6号窯は、一周120メートルの楕円形とすることで、最大の生産量を誇った。
東京駅には、深谷の日本煉瓦製造所で作られたレンガが使われており、深谷駅の駅舎も東京駅を模したデザインが施されている。
現在工場は、わずかに6号窯と事務所棟、変電所だけが残されていて、見学できるようになっている。地方の駅には似つかわしくない威容を誇る深谷駅の駅舎とともに、じっくり拝見してみたいところだ。


日本レンガ製造株式会社で残されている6号窯の建屋。煙突は台風で倒されたためにコンクリートで作られている。


円形をした釜の中。この窯は1週120メートルで、連続焼成が可能で、量産できるようになっていた。


変電室もレンガづくりである。


事務所棟は木造で、外から見ると洋風建築で左右対称になっているが、内部の事務室の中のレイアウトは左右対称になっているわけではない。現在は資料が展示されている。


個々のレンガが使われている深谷駅舎。東京駅に使われたため、もして深谷駅を建設した。重厚なつくりはなかなかの威容である。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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