売上実績管理票のポイント
ものづくりグローバル標準マネジメントの実践
第4章 ものづくりマネジメントを支えるグローバル標準マネジメント(GPMS)の実践
(GPMS :Global Production Management Standard)
(2)売上実績管理票のポイント
売上実績管理表は、毎月の売上実績を事業戦略展開表の目標階層ごとに集 計し、目標達成度を管理していくものである。
以下の項目をポイントとして 管理をしている。
①月次の売上目標と売上実績(顧客別のシェアも含めて)
②当月までの累計売上目標と売上実績
③当月以降から年度末までの売上目標と売上予測
なかでも特に③は、迅速な挽回策を実行するために重要な管理項目で、売上予測は顧客別に実施している。
予測の根拠としては、施策の実施状況、顧 客の状況、競合の状況を勘案して、毎月ローリングで予測シミュレーションをしていく。
このことにより年度末での目標達成度を早い段階で把握でき、未達成が予測された場合に迅速な対応が可能となる(図表4-6)。
以上をまとめると、A社での年間の活動サイクルは図表4-7のようになる。
①経営計画から事業計画を立案し
②4つの方向性ごとに目標と戦略ストーリーを明確にしたうえで、事業戦 略展開表を作成する
③営業施策、開発施策、生産施策を全社一体体制の中で検討をして具体的な施策として設定し
④各施策の進捗状況、売上げ・シェアの実績管理、年度末時点での売上げ 予測をシミュレーションし
⑤未達成が見込まれる場合は迅速に挽回策を検討する
……これら管理のサイクルを確実に実施することで、A社は着実に成果を摘み取り始めている。