今後の製造戦略策定について
ものづくりグローバル標準マネジメントの実践
第3章 製造戦略構築と戦略実践のポイント
2)今後の製造戦略策定について
以上のように、現在は製造戦略(ものづくり戦略)の策定は、競争上重要になっている。
そのあり方を受けて、次には、
・競争優位に立つために、ものづくりをどのように構成し、どのような生産ネットワークを、どの段階で構築するのがよいのか
・来るべき技術革新・製品革新において主導権や競争優位条件を確保するために何を内部に残し、磨き上げ、投資していくべきか
を個別に検討・策定していくことが必要になる。
戦略は企業ごとに個別になってくるが、参考となる枠組みを以下に紹介する。
(1)製造基本戦略の策定
製造戦略を考えるにあたって、従来型から脱皮するには、まず製造戦略のポリシー(位置づけ)を明確にし、さらに、事業競争戦略と関連付けることが必要になる。それらを踏まえて、製造観点でどのように経営に貢献するか基本的な方向を設定する。
ここまでが製造基本戦略の策定であり、極めて戦略的な要素が高い作業になる。
(2)製造戦略のポリシー(位置づけ)
製造戦略の位置づけとは、製造戦略を企業戦略や事業戦略との関係でどう位置づけるかということである(図表3-3)。
従来のように、製造戦略が企業戦略や事業戦略の下位にあるとするのか、双方向で影響しあう位置づけにするのかという問題である。
同様の議論は、商品開発・技術開発戦略、販売戦略においては行われているものの製造戦略ではなされることが少ない。
製造戦略が事業戦略にどう関係するのかを明示することが重要なのである。