日本で鍛えたものを移植するための工夫

ものづくりグローバル標準マネジメントの実践 
第2章 グローバルでの、ものづくりの目指す姿
~グローバルものづくりの要点~

 (社)日本能率協会主催の2011年の「生産革新総合大会」で、日本を代表する幾つかの企業に、グローバルでのものづくりの取り組みについてご紹介い ただいた。
数年前にも同じことをお願いしたが、今回の内容は前回とは大きく異なり、各社のグローバルでのものづくりに本格的に取り組む姿勢を感じさせる、一歩踏み込んだものであった。
もはやグローバル化するのではなく、グローバルでの「ものづくり」が当たり前のこととして取り組んでいることが良くわかるものであった。  
 本項では、各社の事例で語られた「キーワード」を取り上げ、グローバル でのものづくり推進の鍵を探ってみたい。
なかでも「日本で鍛えたものづくりを移植するための工夫」が数多くみられるので、その点に焦点をあて、今後のグローバルものづくりのために心がけることを整理してみよう。

1)各拠点の到達目標の明示

~到達目標、自立化、グローバルトップランナー~

 各社のグローバルでの取り組みの第一の特徴は、到達目標を明確にしているという点である。
例えばT社は、グローバルに展開した各生産拠点の自立 化を目標として取り上げ、  

①自立化レベルを5段階で設定(レベル5は完全な自立状態)  
②それぞれの拠点が自らの拠点の自立化レベルを診断  
③現状のレベルを認識  
④翌年の到達目標を明確化

して、改善に取り組んでいる。  
 Q、C、Dはもちろん、安全や環境、保全などの要素それぞれについて、自立化レベルを5段階に設定している。
それぞれに関して、自社で設定した5レベルの達成状態を明確にし(ベンチマークとして状態を示し)理解しやすい工夫がされている。
このレベル評価は、本部でも行うものの、各拠点自身が自己診断をすることで現状レベルを認識し、自ら考え、検討することを 促している。
そしてその結果、実際に取り組むべき施策を項目ごとに抽出し、事業計画に織り込み、取り組んでいるのである。  
 
 自立化を促すだけでなく、到達レベル・目標を示すことで具体的な施策を 引き出し、それを行動に結び付け、管理をするという実践的なマネジメントが行われている。
当然のことであるが、複数あるローカル拠点は、それぞれ できるだけ早く自立化しようとするだけでなく、いち早くトップランナーに なることも意識するようになっていると思われる。  
 また、S社は「世界最大の“液晶パネル総合プロバイダー”としてのポジ ション確立」を総合目標として明示しており、量的な拡大だけでなく、お客 様情報をグローバルに整理して特徴を的確に把握し、技術的な検討へとつな げている。
この例でも、どんな姿になることを目指すのか、改めて世界最大 とはどんな状態なのかを考えさせ、結果として全社の到達目標を示すことで、具体的な施策を導き出している。  
 施策の具体例としてあげられるのは、技術・マーケティングの拠点間の日 常的な交流であり、戦略戦術の統合を意識したディスカッションなどである。
同社は、その中で司令塔機能や基盤技術開発機能は日本で行うことを明言し、日本の工場の達成目標を大変わかりやすく明確に示している。


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