ものづくりの付加価値を戦略として活かす
ものづくりグローバル標準マネジメントの実践
第1章 グローバルものづくりで考えておくべきこと
2)ものづくりの付加価値を戦略として活かす
ビジネス上で大切なのは、リスクに対する備えを実行性高いBCPとして準備しておいて事業継続の基盤をつくった上で、各社の強みを活かした戦略の構築が必要となってくる。事業を継続的できなければ、市場、そして競合に対して強みを継続的に発揮できないのである。
市場で強みを発揮するためには、BCPに加え付加価値が必要であり、「ものづくり」の付加価値として、
・独自の固有技術
・オペレーション技術(レベル)
・組織能力が問われるが、これを戦略として活かすことが大切である。
例えば固有技術の話であれば、他社に対する先進性・新規性や工夫の優位差がどのくらいあるのかを評価することが大切である。
職業柄、複数の会社を訪問するが、独自技術といいながら、よく聞くとその技術は他社も実施している従来技術であったり、一般的水準であったりすることが多い。
オペレーションレベルでは中々比較をしにくいところがあるが、同業界・同レベルの規模でみれば、在庫保有日数などはオペレーションレベルを示す代用特性と考えられる。
こうした特性もベンチマークを行い自社の水準を改めて認識する必要がある。
ビジネスのフィールドで勝つにはその競争環境を知ることが第一歩で、成熟期に入れば強みや競合が少ないポジション(例えば、工法・技術等)に集中して差別化を図ることが大切である。
全方位型の戦略では勝てないと認識するべきであろう。