サプライチェーン・リスクの見方
ものづくりグローバル標準マネジメントの実践
第1章 グローバルものづくりで考えておくべきこと
(3)サプライチェーン・リスクの見方
今回の震災で新たに学習したことも含め、サプライチェーンで検討していかなくてはならないリスクの範囲は多岐にわたる。大きく分類すると、
・サプライチェーン自体のリスク
・サプライチェーンに関連する(環境、インフラなどの)リスクに分類される(図表1-3)。
サプライチェーン自体のリスクという面では、ものづくりのプロセス順にみていくと、資源会社➡素材会社➡原料サプライヤー➡部品(中間品)サプライヤー、そして部品ごと、国内/ 海外……を検討対象とする必要がある。
当然、企業社間は物流会社で繋がれている。
また、それぞれの会社に関係するサプライチェーン関連要素があり、インフラで言えば「電力」「通信」「情報システム」など多岐にわたる。
今回の震災では、「電力」についてのリスクが実際に大きく被害を及ぼした。
リスクの検討範囲に加え、その影響レベルを想定する必要がある。
先に述べた検討範囲がどのような脅威にさらされる可能性があるのかを想定し、その影響レベルを見ていくものである。領域別には、「自然災害」「人為的災害」「内部事故」「カントリーリスク」などである(図表1-4参照)。
例えば地震だと、震度6弱以上が発生した場合、対象となる事項(例えば、工場建屋)がどうなるかを想定し、その対処の検討が求められる。