ライオンインタビューその6
2014 ものづくり総合大会(2014年2月19日~21日)にあたり行った、開催前インタビューです。
調達するか、つくるか
安部
つくるのか調達するのかという点についてお伺いしたいのですが。
どの技術・生産を社内に持ち、どれを外に委託するかという課題は、業種がかかわらず、おおいにあると思うのですが、いかがでしょうか。
大和久
洗剤を例にしますと、形状が粉だと大規模で特殊な装置を使って作ります。これが液になると、意外に汎用的な装置で作ることになります。
もちろんやり方にはいろいろ工夫がありますが。
粉の洗剤を作ろうと思ったらそれなりの装置を持っている会社でなければ生産できなかったのが、液状となると、生産できる範囲が広がったと。
それは作り方の話で、その組成には多くのノウハウがありますが。でもそういう意味でも、作り方でいかに差別化するかは今後も重要になってくると思います。
安部
それは、規模の大きさはあまり影響しないのでしょうか?そのプラント規模というか、作る量ですね。当然貴社は参入企業より圧倒的に生産量は多いと思いますが。
大和久
量が多いとコスト的には有利です。原材料も安くなります。
一方で、先ほどお客様のニーズが多様化しているという話題がありました。
ニーズが多様化すれば、一つ一つの製品の生産量は少なくなりますので、少量生産のプラントでも生産できるわけです。
小柳津
あれもこれも作れるようにしようとすると、ひとつの配合釜で、まずこれを作り、作ったら全部抜いて洗って別のものを作る。非常に効率が悪いのです。それこそ作り方を工夫しなければならない。
安部
段取替えの課題とセットで、それなら委託生産しようか、という話が出ます。生産するか調達するか、に切りわけた話になりがちです。その辺りは、お二人の業務の範疇に入ってくるのですか?
大和久
場合によりますが、例えば数ヶ月に一回作って間に合う生産要望量だとしたら、生産ラインを自社に設置せず、外部委託をする方が低コストになるケースもあるでしょう。
先ほども申しましたように、粉の洗剤のように特殊な装置を使用する製品だったら簡単にはできないでしょう。けれども、液ものだったら出来るかもしれません。
安部
いま、デジタル機器業界などはまさにその辺りで悩ましい課題を抱えています。
大和久
我々の業界もそのような状況にあるのかもしれません。
安部
技術や商品ラインによっては、その内外作の判断も重要なポイントになってきます。
ましてニーズが多様化すると、全部を大企業で対応することは合理的ではないかもしれません。
大和久
当社では少量生産の商品もたくさん販売していますが、実際に段取替えは非常に大変です。そういうときに、フレキシブルに委託できればバランスよく考えていきたい。
将来は、そのようなフレキシブル性を委託先から見習うというテーマも挙がってくるかもしれません。
安部
本日はありがとうございました。
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