【講演者インタビュー】2月15日 トヨタ自動車 高橋氏~その2~

2019ものづくり総合大会にてご講演いただく、トヨタ自動車 グローバル生産推進センター 主査 高橋智和氏に、日本能率協会の成富がお話をお伺いしました。
(以下敬称略)

技能の伝承をどうやって技術に展開する?

成富
基本技能をどのように具体的に教え、伝承していくのでしょうか?

高橋
例えば組立現場の一般的な作業にボルトの締め付けがあります。

あるタクトタイムの中で指先を傷めずにちゃんとした品質で一定に締め付けようとする際、ボルトのつかみ方から送り方、インパクトの持ち方、立て方、それから締め付けた時の視覚、音感、感触などすべてが成り立っていないと基本技能として身に付いたとは言えません。

基本技能が身に付いて初めて、1日に何千というボルトを締め付けることができる様になります。
これができるようになるまでトレーナーがしっかりと教え、実際に訓練を受ける側の人たちも訓練機でデータ化された内容を見ながら身体で覚えていきます。

成富
高技能の伝承はどのように実践されていますか?

高橋
先ずステップ1では原理原則・手づくりによる確かな技能と感性、各職場の実態を学んだ上で、ある工程を改善するという教育内容となっています。
次にステップⅡの教育では国内・海外での鍛錬の場にて 周囲を巻き込み実践する逞しさと柔軟な思考力や行動力を養ってもらいます。
高技能者とは良品廉価なものづくりを実践・応用すると同時に、先輩を超え自分を超える後輩を育てる心がないといけません。

例えば高技能が要求される技能として、ウインドーガラスの接着剤であるブチルをガラス形状の輪郭に沿って塗る工程があります。
品質確保上、一定量を塗布しなければなりませんが、これらを担保するためにガラス形状のコーナーにはコーナー、直線部分には直線の塗布速度があります。

当然、ブチルを塗るガンを立てる位置なども違ってきます。
他にノズル形状や塗布方向転換時の留意点、終わり際のラップ長さなどにも高い実作業の経験値が必要です。

そういった技能として確立できたものを設備に置き換えるようにしなければ良い設備にはなりません。
つまりこれは高技能者の技・技量を設備に置き換えている事例の1つです。

この技能を自動化へどうやってシンプル・スリムに展開していくのかについて、国内外で多くの試行錯誤をしているところです。

自動化やIT化は避けて通れない重要なテーマだと思っていますが、私どもは技能の伝承と発展を並行して進めなければ、問題の対策が遅れたり本質がなかなか実感できなかったりすると考えています。

現代は確かに自動化やIT化が競争力の非常に大きな源になっていますが、今の若い人たちにはすべて手づくりで良品廉価なものをつくるといった環境はなく、技能の伝承がより重要性を増していると感じています。

これは自動化・IT化が進む中で原理原則の学び、トラブルシュートに接する機会が減り、鍛錬不足や応用が効かなくなっているとも言えます。

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~次回に続く~


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