【講演者インタビュー】2月15日 キユーピー 荻野氏~その4~
2019ものづくり総合大会にてご講演いただく、キユーピー 生産本部 生産技術本部 未来技術推進担当 荻野武氏に、日本能率協会の中本がお話をお伺いしました。
(以下敬称略)
荻野さんにとってAIとは?
中本
AIは技術だけでなく、志をしっかりと持つことが大切で、社内外での信頼関係が生まれることでAIが現場で技術として応用されて成果を上げていくわけですね。
次が最後の質問です。
ちょっと難しい問いになるかもしれませんが、荻野さんにとってものづくり、AIとは何になるでしょうか。
荻野
ものづくりもAIのどちらも手段ですね。
ものづくりは目的ではありません。
目的はお客さんに価値を提供することです。
AIを導入するときにAIのための組織を作る会社がありますが、それをやるとAIを使うことが目的になりかねません。
お客さんが求める価値は何なのか、自分たちはどんな価値を提供することに志を持つのか、その辺をまず明確にする必要があります。
現存する技術だけできちんと対処できるのかどうかを見極めたうえで、対処が難しく、AIに使える力があると判断すれば導入すればいいでしょう。
ものづくりはやはり、こうでなくてはいけません。
5、6年以上前から「ことづくり」という言葉がいわれるようになりました。
要するにお客さんに提供する価値が目的ですから、その目的を達成するためにものやことを作るわけです。
ものもことも目的ではありません。
ものとことがいっしょになって初めて、本来の目的であるお客さんに提供する価値を生むことができるのです。
手段と目的はきちんと見極める必要があります。
だから、ものづくりもAIも先ほど申し上げたように手段なのです。
どういうものが手段として最も適切なのかを見極め、志を持って進めることが重要です。
中本
ありがとうございました。