【講演者インタビュー】2月15日 キユーピー 荻野氏~その3~
2019ものづくり総合大会にてご講演いただく、キユーピー 生産本部 生産技術本部 未来技術推進担当 荻野武氏に、日本能率協会の中本がお話をお伺いしました。
(以下敬称略)
企業がAIを導入する際の注意点とは?
中本
荻野さんもAIを現場に取り入れるうえで、人とAIをどう共存させるか、新しい技術をいかに現場へ浸透させるかでご苦労されたと思います。
AIについてどのような課題を抱えている人に講演を聞きに来てほしいとお考えでしょうか。
荻野
多くの企業がAIの導入を試みていると思います。
生産性や業務の質向上など目的もさまざまでしょう。
私のところにも食品メーカーから役員の方々が、「AIをどうやって導入したらいいのでしょう」と相談に来られます。
そこで私がお話しするのは、明確な目的と志を持つことから始め、その志に共感し、やり抜く覚悟を持つ人を集めるようにすること、とお答えしています。
やらせる仕事ではうまくいきません。
志に共感してやり抜く覚悟を持った人を集め、なおかつ信頼することが必要です。
これはAIを扱うベンダーだけでなく、社内の信頼関係も重要になってきます。
もう1つがパートナーとなるAIに強いベンダーを探すことですが、IT企業もすべてがAIに強いわけではありません。
AI自体も幅が広く、必ずしも付き合いのあるIT企業がその分野を得意としているとは限りません。
だから、IT企業の得意な分野を調べもせずに丸投げすると、齟齬が生じてしまうことがあります。
よくあるパターンの失敗です。
できれば企業ではなく、人を探す方がいいでしょう。
課題に合致したAIに精通するだけでなく、目的や志に共感してくれる人でないと、なかなかうまくいきません。
AIをやっている人にも志を持つ人がたくさんいます。
その志を持つ人材を探すわけです。
~次回に続く~