調達セッションコーディネータインタビューその1|価値創造するための3つの行動とは?
2016ものづくり総合大会の調達セッションコーディネータ 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの加賀美行彦氏にお話を伺いました。(以下敬称略)
価値創造するための3つの行動とは?

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本日の各セッションの感想をお話しください。
加賀美
最初のセッションはIHIです。
IHIの取り組みは非常に地道な活動です。
調達改革を進めようと考えている企業には、個々の施策の内容も含めて非常に分かりやすく、参考になる部分がとても多い発表だったのではないでしょうか。
それからNECは素晴らしい内容の発表になっていました。
最後に私から少し申し上げたのですが、NECは事業の内容が大きく変わってきています。
それに伴い調達の仕組みも変えざるを得ない部分があるのでしょう。
方向性としては非常に良い買い方をしているように見えました。
調達部門はもともと、技術部門が決めたものを買い、調達を果たすという側面が強かったのですが、だんだんとモノだけでなく、機能を買い、VEをする方向に変化しています。
今日の発表においても、もっと価値創造をするということを言っていました。
要は開発と連携するだけでなく、営業とも受注の前段階からもっと連携し、どうやって一緒に仕事を取るのか、そのためにサプライヤとどう連携すべきなのかをしっかりと考え、本当に成長するために買うという取り組みになっています。
価値創造は昔から言われていたことですが、実際に取り組んでいることが具体的に分かり、非常に良かったですね。
最後に味の素です。
味の素の取り組みの特徴として挙げられるのが、生産や品証部と連携することが施策として多く出ていることです。
単に調達するだけの取り組みではなく、部門連携をきちんと進めている点が良かったと思います。
今日のテーマのグローバル化を推進しようとすると、どうしても情報の一元化が必要になってきます。
一元化をするときに、登録されるデータのばらつきをどう抑えるかがポイントの1つになるでしょう。
そのための評価基準や評価のプロセスがきちんと整理されている点は、良かったと感じました。
3社とも取り組みが違っていますが、それぞれに特徴がある良い事例だと思います。
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