特別企画セッションコーディネータインタビューその1|今までにない革新の3つのポイントとは?
2016ものづくり総合大会の特別企画セッションコーディネータ 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの石山真実氏にお話を伺いました。(以下敬称略)
今までにない革新の3つのポイントとは?
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A1からA3セッションを担当していただいた石山さんにインタビューします。
三菱電機、富士ゼロックス、オムロンの3社を通じた全体の印象からお聞かせください。
石山
今日の話は3つのポイントがあったと思います。
ものづくりに、今までにない革新に取り組もうとする中、1つ目はIoTやAIについてです。
これらはあくまでもツールに過ぎません。
何を目的にやるのか、どこを目指すためにするのか、これらをどう活用したらうまくいくのかを、各社とも実際に進めるに当たり、自社で明確にしています。
構成企画を綿密に練っているという印象を受けました。
2つ目のポイントはIoTやAIの3つの革新の視点です。
1点目がプロセスの革新です。
エンジニアリングチェーンやサプライチェーンと呼ばれる領域に当たります。
2点目がプロダクト自体です。
さまざまな情報収集をし、その収集した情報をどうお客さんのためや、自分たちのために生かしていくのかというプロダクトの革新と、3点目に様々なサービスを含めたビジネスモデルに変えていくというビジネスモデルの革新があります。
何の革新をするのかという対象が、プロセスとプロダクト、ビジネスモデルになります。
この組み合わせで何を代償にし、何を変えるのかというところがうまくマッチした会社が、今日発表した会社のようになっていくのでしょう。
ただ、今日発表した3社はその内容で商売をしているわけですから、他社から導入する会社の何倍も検討を進めています。
だから、それだけ他の会社にとって参考になる話だったのではないでしょうか。
最後にさすがは日本の会社だと感じたのは、各社から「行き着くところは完全自由化ですか」という質問が出たのに対し、「いやそうではなく、人の能力が非常に長けているので、人の介在する領域はある」といっていたことです。
今まで通り、組み立て作業者が頑張って作業をやることとは、能力発揮の方向が違っています。
人の能力を発揮する方法をどこに持っていくかは、各社でプランを立てて考えなければなりません。
そういう人たちが機械に置き換わった場合、どんな仕事にシフトすれば良いのでしょうか。
今日は開発側、製品の開発や設備の開発という話が多かったですね。
それと3つ目のポイントがIoT、AIを使い、どういうものづくりをしていくのかという企画面です。
企画立案能力というのですかね、そこが高い人を育てていかなければなりません。
あくまでこれらは道具なので、道具に魂を入れていく企画力が、その会社の競争力になると思います。
どんな企画をするかで、企業の競争力が随分、変わってきます。
それを引っ張っていくのはAIではなく、人間という感じですかね。
その辺を今日の講演の流れから感じました。
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