富士ゼロックスインタビューその5| 若手の人材育成の難しさとは?
2017ものづくり総合大会企画委員 富士ゼロックス 生産本部 プロフェッショナルアドバイザー部の清水目勉氏にお話を伺いました。日本能率協会の平井希実がインタビューします。(以下敬称略)
若手の人材育成の難しさとは?
平井
8月頃にあった2回目の企画委員会で、「人材育成、特に若手社員の教育に課題を感じている」と複数の方がおっしゃっておられました。
清水目さんも教育や人材育成という点で、何か課題に感じておられることはございますか。
清水目
正直、若手というか新入社員の育成は難しいなと思うところがありますね。
それは自分たちの時代とは、働き方を含めた時間の使い方というものが明らかに変わっているのだと思います。
自分たちの頃は、バブルが始まる前ぐらいの、もうイケイケの頃で、それこそね、開発とか新商品に携わっていて量産間際になると、かなりの時間外労働や、場合によっては会社に泊まったとかね、そういうことが美徳みたいなこともあったけれども、明らかに今はそういう働き方ではないですよね。
そうするとやはり、決められた時間をどううまく使うかというところですよね。
もしかすると、自分たちが時間をうまく使ってこなかったというか、できるやつには仕事が集まってくるんだぐらいの、たくさんある仕事を時間外でこなしていくことをやっていて、要は時間でカバーしていた働き方をしていたところがあったのかなと。
だから今の働き方というものを、自分が経験していないという中での難しさはあるのかなとも思います。ということで、私はもっと時間の使い方を勉強しないとです。
でも、若い人と話をしていても、決して価値観が違うとは思わない。
価値観はそんなにずれていないと思うし、いわゆる年代のギャップというふうなものでもないと思いますので、やっぱりものづくりに対する夢を持てるよう、その夢に向かって進めるようなアシストを若手の人材育成で心がけたいですね、あとは私の時間の使い方の改善ですね(苦笑)
平井
今年も人材育成のセッションはございます。
清水目
ただ単純に、技能や技術を伝承するとか、先輩が失敗した過去のトラブルや、いろいろな事例をきちんと教える、正しい図面を描く、正しいもののつくり方を教えるだとかっていうのは、そんなに難しい話ではないと思うのですよ。
ただ、ものづくりのDNA、ものづくりの思想を伝えるのは難しい、伝わっているかは見えにくいものですし、あとになってわかることもあるでしょう。悩ましいですね。
なんだかとりとめのない話になっちゃったね。
平井
いえ、そんなことはございません。
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