開発セッションコーディネータインタビューその1|「強みを生かす」セッションとは?
2015ものづくり総合大会の開発セッションコーディネータ 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの野元伸一郎氏にお話を伺いました。日本能率協会の安部武一郎がインタビューします。(以下敬称)
「強みを生かす」セッションとは?

安部
2015ものづくり総合大会の開発セッションのコーディネーターを担当いただきました野元さんに振り返りをお聞きいたします。
野元
よろしくお願いします。
安部
野元さんには、2日目の「強みを活かす」というセッションと、3日目の「社内連携と企業連携」というセッションを担当していただきました。
まずは、「強みを活かす」セッションですが、富士フイルムさん、島津製作所さん、経済産業省さんに、ご講演していただきましたが全体的なご感想を簡単にお聞かせいただければと思います。
野元
この「強みを活かす」というセッションですが、日本のものづくりが新しい局面を迎えていると感じました。
ものづくりの製造の部分は、日本だけに必ずしも工場を置いていけるわけではありませんし、日本の人口が減っているなか、市場自体に、どうやって自分たちの仕事を見つけるか、新しいことをやるか、ということが求められていると思います。
例えば富士フイルムさんがおっしゃっていた、写真がフィルムからデジタルカメラに変わった中で、自社の強みをどう考えるか、強みを新規事業にどうつなげるかというところの講演は、非常に貴重だったと思っています。
最近、富士フイルムさんは、化粧品などの新しいビジネスを始めていますが、プロセス技術や原材料技術をコア技術と捉え、お客様と協創するオープンイノベーションを模索した意味で、非常に面白い事例だと思いました。
島津製作所さんは、医療機器分野などが強いですが、他社がやっていない事業、製品に取り組むのが島津製作所さんの強みと思います。
例えば、PET装置、それから医療機器と分析機器を統合するなど、特殊な領域に注目している所からも垣間見られます。
3番目は経済産業省さんの講演でした。
インダストリー4.0が注目を浴びていますが、日本はどのように対応していかなくてはいけないか、という点を、ドイツのことも含めてお話して頂けたと感じました。
工場でデータをとって、開発や製造にフィードバックをかけるインダストリー4.0のような考え方は、日本の強みではないところはあるとは思いますが、それをいかに強みに持っていくかという示唆みたいなところが非常に興味深かったと思っています。
「強みを活かす」セッションの講演は、改めて自社の強みを、顧客視点でいかに見直すか、強みを活かすために会社としてどのように資源を集中させるかなど、お客様とのコラボレーションやオープンイノベーションという考え方を実践するために必要な考え方を聞く事ができる事例が多かったと感じました。
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