川崎重工業インタビューその4|海外拠点と国内拠点の役割分担とは?

2015ものづくり総合大会の参加者 川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー サプライチェーン本部 生産技術部 部長 田畑穣さんにお話を伺いました。日本能率協会の成冨一仁がインタビューします。(以下敬称略)

海外拠点と国内拠点の役割分担とは?

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成富
2016ものづくり総合大会に向けて、お聞きしたいテーマや課題はありますか。

田畑
一つは人材育成についてです。
グローバルと国内に単純に分けるようなものでもないですが、国内も人材育成については意外に弱いのです。
理由として製造現場の工場で働く人々、それをサポートするスタッフ、製品を現地で設計する人、それぞれの育成方法に違いがあることが挙げられるでしょう。

もう一つは日本国内と海外拠点の役割分担です。
弊社では海外工場立ち上げの際に、主に日本人が工場を立ち上げ、オペレーションは現地でやっていきます。

オペレーションが根付いてきたら、生産技術や研究開発も顧客の声を聞いて現地でやり始めます。

そうなるとせっかく海外に来てコストを下げたのに、スタッフ業務が増えてコストが見合わなくなってしまうのです。

コストの低いままで、高い要求をするものですから、現地の社員がどんどんスキルを身につけて給料の高い他の会社へ行ってしまいます。でも、給料を上げるとコストがかかって海外でやっている意味が減ってくることもあります。

一生懸命教えて、出来る範囲で給料を上げても、他社に引き抜かれていくのです。

開発やスタッフ業務、エンジニア業務も最適地を考えなければならないわけです。
製造は海外へ行くが、スタッフ業務は日本から動かさない、というのも1つの方法でしょう。

製造にしても人が組み立てる作業なら、どんどん人件費の安い場所へ行けばいいのでしょうが、機械で組み立てるなら場合はどうでしょうか。

ここ4、5年、工場を海外に出していく中で、日本の工場の役割は何かという話が業界で課題になっています。
現在、当社の明石工場ではハイエンドのモデルしか製造していません。

ボリュームクラスの商品はタイで生産しています。生産コストが見合わず日本で製造できなくなっているからです。

日本とタイでは人件費が8対1ぐらいです。タイで日本の倍の人間を作業につぎ込んでも4分の1のコストで収まります。だから、利益率の高い商品しか日本では生産できません。250CCの小型バイクは、タイで生産しなければ採算が合わなくなりました。

その結果、明石工場にはかつての大量生産システムが存在しなくなりました。

品質確保に何をしなければいけないか、生産に必要な工具をどう選ぶのか、そういったノウハウが次々に失われています。
徐々にマザー工場として機能しなくなっているわけです。

明石工場では作業者1人が4、5時間かけて1台のモーターサイクルを組み立てる生産ラインも存在しますが、その技術はほとんどの海外生産拠点には必要ありません。海外は基本的に工程を細かくわけて、作業者は役割分担で作業を進めているためです。

海外との役割分担や国内のノウハウをどのように海外展開しているのかについては異業種を含め、他社さんの取組みからもっと学びたいと思います。

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