特別企画セッションコーディネータインタビューその5|インダストリー4.0と日本のものづくりは、今後どう絡んでいくのか?
2015ものづくり総合大会の生産セッションコーディネータ 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの石山真実氏にお話を伺いました。日本能率協会の成冨一仁がインタビューします。(以下敬称略)
インダストリー4.0と日本のものづくりは、今後どう絡んでいくのか?
成富
次に、3日目のセッションの感想をお願いします。
石山
3日目の担当セッションはインダストリー4.0関連の話と、技能系の話でした。
全体に共通した話ではありませんが興味深かったのは、インダストリー4.0というのは、ICT化、AI技術、センサー技術を使って、マスカスタマイゼーションにとことん応えていく、思想だと思います。
そうなった時に自動化、センシング、AI中心に製造業が発展していき、人の介在するところは、今後どうなっていくのだろうかというのが課題としてあると思います。
その中でボッシュさんの話は、逆に人が重要、特に技能面では特にそうだという話がありました。
人の役割とインダストリー4.0が、今後どう絡んでいくのかは非常に興味深い所です。
ドイツは国をあげて、製造業の仕組みを作ろうとしているので、ドイツの一番得意なマイスターや職人の腕前の強みをどう生かしていくのか。
一般的に、インダストリー4.0はものづくり側の大部分が設備に置き換わっていて、AIで自動判断をしていくような事が言われています。
そうなると、設備構成を、どうしていけばいいのかという、ものづくり企画のようなところに、人が介在をしていくということになっていく話はよく聞きます。
今後は職人的な腕前は、どこで生かされていくのか気になりますね。
ただドイツは、技能は得意な分野であり、技能は要らないという、ものづくり革新の方向ではないと思います。
ドイツはインダストリー4.0を検討しているが、一方の日本はどうするのかということも一つ重要な事だと思います。
日本はもともとビジネスモデルではなく、製品の競争力を上げることを得意としています。
ドイツと日本のものづくり思想はかなり近しいものがり、日本流というのを、どう捉えていくのかが、日本製造業のこれからの課題だと思いました。
梶先生の講演でも、優良スキル人材の役割やマイスター制度の今後の在り方を、このインダストリー4.0の中でどう位置づけていくのかということは、あまり見えていないとお話されていました。
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