花王・JMA対談インタビューその1|「品質」セッションを設置した理由とは?
2015ものづくり総合大会の企画委員会「品質」ワーキンググループ・リーダーである花王の大谷氏と企画事務局の日本能率協会 安部武一郎の対談インタビューです。(以下敬称略)
「品質」セッションを設置した理由とは?
ーー今回ものづくり総合大会においてDセッション「品質セッション」をあらたに設けました。
このセッションを設けた背景を教えてください。
大谷
この「ものづくり総合大会」は、2013年まで「生産革新総合大会」という名称で開催されていました。2014年から「ものづくり総合大会」になり、「2015ものづくり総合大会」は2年目になりますね。
もともとの背景としては、企画委員として「ものづくり」の全体観にこだわろうという私の思いがありました。
ものづくりと言うと、極端に言えば無から有をつくりだすということで、それはすなわちイノベーションです。つまり「ものづくり」の全体観にとって「イノベーション」「技術革新」がその中心にあると思います。
そして、実は「品質」という視点で技術を進化させることは、非常に有効だと感じています。
以前、私はずっと研究開発部門におりましたので、長年にわたってイノベーションは研究でおこすものだという思い込みがあったことは否定できません。
そんな意識のなかで3年程前に生産部門に移り、その時に感じたことは、前回のインタビューでもお話しましたが、生産部門の方々は「やること・やらなければいけないこと」を粛々とやることがミッションであるという傾向があり、新しいことをやるのは必ずしも自分たちのミッションではないと感じているのではないかと思いました。
私は、それは少し違うと思ったんです。
生産も含めたものづくりのプロセスのすべてにイノベーションのヒントがいっぱいあり、積み重ねて改善していくことが技術の進化につながり、イノベーションにつながると思えるようになっていきました。
前回のインタビューでは、「生産現場にイノベーションのタネがたくさんある」。
というところを少し話させていただきました。
そして、ものづくりという言葉が持っているイメージと品質の関係について、ぼんやりとイメージがあったのですが、それがクリアになってきたんです。
それは、「品質はものづくりの集大成である」ということです。
前回の企画委員会のディスカッションのときに、企画委員長の新誠一先生から意見を求められた際に「もう一回、ものづくりを咀嚼しよう」と思い問題提起しました。
ものづくり総合大会には、「ひとづくり」というセクションがありますが、ものづくりを一生懸命行うことでひとづくりができる、と思ったわけですね。
もっと「よきものづくり」を考えてみよう、ということです。よきものづくりのひとつの重要な要素として「高品質」というコンセプトがある。
品質はものづくりの集大成ですから、このものづくり総合大会には必須だと思ったのです。
一方で、一般的に品質という「言葉」のイメージは、品質管理や品質保証を連想しがちです。
どちらかと言うとディフェンス側を連想してしまう。
それはこれまで様々なところで議論されていますし、多くの手法も確立されています。
ただ、それはディフェンスの意図が強くあって、品質をオフェンスと捉える。
そんなスタンスはこれまであまり取り上げられていないと思います。
各企業でも本当はやりたいかもしれないけど、なかなかできていない。
そこで、品質をオフェンスとしてとらえている企業の事例を紹介したいということを考えました。
品質を高めようという取組みをお客様にうまく伝える、伝えられている会社を紹介して、ものづくりに関わるみなさんに、もっとよきものづくりをやっていけるように変わるきっかけとなるセッションにしたいのです。
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Dセッション「品質セッション」の講演は・・・
2015ものづくり総合大会
2月19日(木)10:00~16:30
資生堂
味の素
日本ヒューレット・パッカード
2月20日(金)10:00~16:30
MEマネジメントサービス
キユーピー
NEC