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ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

051>残したい第一級の文化財遺跡

このドックは明治31年に日本で初めてつくられたレンガドックだが、設計・築造したのは、横須賀製鉄所で学んだ恒川柳作や大倉粂馬、山崎鉉次郎ら。日本人による初のレンガドックである。
ドックの形は、先頭部分が丸くなっていて浦賀ドックとほぼ同じだが、煉瓦の積み方が少し異なる。こちらはイギリス積みによく似たオランダ積みである。長手だけの段と小口だけの段を交互に積むのはイギリス積みと同じだが、長手段の端で七五(レンガの長手方向の長さを3/4にしたもの)を用るのがオランダ流である。
不思議なのは、横須賀製鉄所の官費性としてフランス式の造船学を学んだ恒川柳作らが、なぜオランダ積みを選択したのかということだが、どうやら真相は、当時は、フランスでもオランダ積みをはじめ、様々は積み方が行われていたということのようだ。フランスではフランス積みばかりというわけではなさそうだ。
浦賀ドックと川間ドック、どちらのレンガドックも、オランダのものと比べると深さが大きい。<全長-深さ>でみると、オランダの3基は157-7、90-6.5、120-8で、川間136.7-9.7、浦賀148-8.4だ。これは、オランダのドックが1806年~66年に作られたのに比べて、日本の2つは1898年、99年だ。この間に船舶技術が発達して木造の帆船から鉄鋼の蒸気船へと変化しており、鋼鉄船の喫水が深いためにドックの水深が深くなっているのだ。
日本製の2つのレンガドック、産業遺跡としても第一級の文化財で、一見の価値がある。こちらも、産業文化財として整備・保存・公開されることを期待したい。

時代を経て老朽化しているが、まだしっかりしている。

レンガの積み方はオランダ積みが良く見える。

水中に続く階段。ここの階段は浦賀ドックに比べると段差が高い。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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