横須賀製鉄所――造船王国・日本の源流
6.戦艦三笠と猿島――日露海戦を勝利に導いた旗艦と要塞の島
038>よみがえる戦艦三笠の雄姿
京急線汐入駅を降りてどぶ板通りを真っ直ぐ進むと、大滝町の大通りに出る。右に行けば5分ほどで京急横須賀中央駅に至るこの通りが、横須賀随一の賑やかな通りである。逆に、横須賀中央駅を起点にするなら、改札口を出て左に大滝町の通りを7、8分進むとどぶ板通りの入り口(出口)に出てくる。
この交差点を国道16号に出て海の方にしばらく進むと「三笠公園」入口のアーチが見える。正面に米軍基地の入口が見えるが、手前を右に折れてまっすぐ5分ほど進むと三笠公園だ。京急線の汐入駅から1.5km、横須賀中央駅から1.2kmほどの距離だ。
三笠公園入り口から三笠公園までの約300メートルほどの道は、遊歩道としてきれいに整備されている。途中に、住友重工㈱浦賀工場で昭和59(19854)年に建造された2代目の日本丸のマストを1/3に縮尺したモニュメントが置かれている。マストだけだが、帆を張った美しい姿が想像される。
この遊歩道をさらに進むと、花壇と疎水のある三笠公園に出る。一帯は、花と水がベースになった海辺の公園になっており、音楽噴水などもあって日に何度か音楽に合わせて噴水が上がる。夜にはライトアップされているので、夏の夕涼みにもいいだろう。公園の中央に司令長官東郷平八郎の像が立っていて、背後の海べりには、三笠のネイビーカラーの雄姿と高く天に伸びるマストとが見える。

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。
梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。
写真撮影:谷口弘幸