ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

横須賀製鉄所――造船王国・日本の源流

4.横須賀造船所――140年間現役で稼働する石造りドック
030>旧横須賀工廠の庁舎――CPO下士官クラブ

鎮守府の高台を下ってドックの方に歩くと右に白い建物がある。関東大震災で全壊した初代庁舎の跡に、昭和の初めに建設された旧横須賀海軍工廠の庁舎である。これも、鎮守府と同じ真島健三郎の設計で、やはり2階建て、鉄骨造り、壁は鉄網にセメントの吹き付けという計量の柔構造である。
昭和初期には、横須賀鎮守府管内でこの旧横須賀海軍工廠庁舎や旧横須賀海軍病院庁舎、および兵舎(現米海軍横須賀病院庁舎及び病棟)などといった建物が、真島の柔構造理論で建設された。いまは、米海軍のCPO(Chief Petty officer:下士官)クラブとして利用されている。
この建物の前に、昭和2年4月1日に、庁舎の竣工を記念して作られた記念碑がある。この碑に使われた材料は、全壊した初代庁舎に使用されていた資材だという。屋形の上部には、エッチングで初代庁舎の正面図が描かれた青銅版がはめ込まれていて、下には「明治辛未年建ANNEE1871」と刻まれた石版がはめ込まれている。さらに、土台の部分には、レンガで縁取りされたスペースに、横須賀製鉄所と海軍工廠庁舎の由来が記されている。
「初代庁舎ハ、横須賀製鉄所時代、現第一上陸場前ノ地ヲ相シテ、明治三年8月之ヲ起工シ、翌々五年四月(西暦一八七二年)竣成ス・・・大正十二年九月一日関東地方ノ大震災ニ遭ヒテ、廠内過半ノ工場倉庫ト共ニ、初代庁舎建物ヲ併セテ崩潰スル処トナリ・・・新庁舎ノ竣工ヲ告グルニ当リ、爰ニ初代庁舎営造用材ノ一部ヲ以テ碑ヲ作リ、庁舎ノ由来ヲ添記シテ、以テ記念トナス・・・昭和二年四月一日 横須賀海軍工廠」(読点はLBJチーム挿入)

旧横須賀海軍工廠の庁舎、現在はCPOクラブとして利用されている。装飾は少ないが、縦長で上下開きの窓が特徴。

昭和2年に設置された新庁舎竣工記念の碑。屋形部分に描かれているのは大将12年の関東大震災で倒壊した初代庁舎の正面図。

新庁舎竣工記念の碑の全体。下部に由来が記されている。CPOクラブ入り口のすぐ横にある。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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