ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

横須賀製鉄所――造船王国・日本の源流

4.横須賀造船所――140年間現役で稼働する石造りドック
027>地震にびくともしない土木建設力の凄さ

現在、1-3号のドックは日米の共用に供されており、自衛隊の艦船のみならず民間の修船にも使用可能だ。それにしても建造以来150年近くたって、まだ現役というのは奇跡だ。石材はいずれも、伊豆・小松石や相模産の安山岩の石材で、500×500×1,000ミリのサイズ。140年経った現在も、摩耗は見られるが全体にしっかり機能しており、耐候性、耐海水性も問題なし。
石積みの間をつなぐ目地にはコンクリートが必要だが、1号ドックでは輸入コンクリートが工事費の半分を占めたため、ドックの裏面は消石灰・火山灰を混合したベットンと呼ばれるものを使用した。コンクリートが国内で生産されるようになるのは明治8(1875)年である。
ドックに船を引き入れてゲートを閉じれば、渠底や渠壁には水+艦船の重量の負荷がかかる。排水をすれば、渠壁には逆に周辺の地面からドックを内側に押し出す荷重がかかり、渠底には艦船の荷重がかかる。ドックにはこの耐荷重を持ちこたえる強度が必要である。
地震が多発する環境のなかで、この両荷重に耐えながら、水漏れを防ぎ、寸法を保ち続けるには、しっかりした構造設計と施行が不可欠だ。このことだけでも、明治初頭にこうした土木建築物を作り上げた、先人たちの技術力に驚きを禁じ得ない。

2号ドック。監督者のフランス人が帰国したため、日本人にって工事された最初のドックとなった。明治初期としては最大規模のドック。先端部の1/3ほどにもゲートがあって、ここでに分割して使用できる構造になっている。そのため、ゲートや、排水用の暗渠、舵をおさめる舵井(だせん)が2つずつある。

3号ドック。3つの中で一番小さいドック。

3号のゲートの内側。ゲートが見える。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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