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ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

横須賀製鉄所――造船王国・日本の源流

4.横須賀造船所――140年間現役で稼働する石造りドック
026>石づくりドライドック――艦船大型化の足跡

1-3号ドックを少し詳しく見てみよう。 一般にドックは、
・船舶建造用ドック:
船舶を建造するためのドックで、海に向かって船台がスロープになっており、ゲートで水が止められている。
・船舶修理用ドック:
船舶を修理するためのドック。海に接して掘られ、ゲートで水面と分けられている。底面はほぼ平坦。
の2種類に分けられ、構造的に見れば、以下の2種類がある。
・ドライドック:
土地を掘削して地面を掘り、船を引きこんで排水して修理を行う
・フローティングドック:
海上に箱型のドックを浮かべて使用する
横須賀製鉄所のドックは、修理用のドライドックで、ドックのゲートを開けて船を引き入れ、ゲートを閉じてポンプで排水し、船体を露出させて修理や点検作業を行う。
1-3号のドックがつくられたのは1号(明治4年、137m)、3号(明治7年、96m)、2号(明治17年,151m)の順で、この大きさは、当時の戦艦-駆逐艦-巡洋艦を想定したものと予想されている。
1号ドックは当時の欧米の大型戦艦4,000~5,000トンクラスに合わせて建造されたもので、この大きさの戦艦の入渠・修理が可能だった。その後、機動力があって小回りのきく駆逐艦の時代があり、最後につくられた2号ドックは、艦船の大型化が急速に進み、大きなドックが必要になったことを示している。
この艦船の大型化競争はこの後も進み、20年後の明治38(1905)年の4号ドックでは全長240m、大正6 (1916) 年に建造された5号ドックでは324m、昭和10(1940)年の6号ドックでは366mと拡大していく。こうした大型化の流れは止まらずに、航空機の時代になっても、大和、武蔵という巨艦建造へと続いていった。

ゲートに「A」と書かれているのがドックで、右から1号ドック、2号ドック、3号ドック。

センターラインに沿って船台が並べられている。入渠した船の船底のセンターをこの船台に乗せ、左右から木材で支えて排水する。このドックには、舵などを納める凹部がなく、渠底が平坦で排水用に傾斜していないなどが特徴だ。これらは、2,3号ドックで修正されている。

ックの壁面、渠壁。石材がしっかりと組み上げられている。

ドックの先端部。昭和10年~11年に渠頭部分がコンクリートで延長されたことがよく分かる。

1号ドックで修船中の船舶(『日仏文化交流写真集・第1集』駿河台出版社)。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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